
特集「ツヤの方程式」vol.3は、ハイトーンと透明感のあるベージュカラーを打ち出している〈siki〉水口裕太さん。カラーを引き立てる透明感のあるツヤのつくり方を伺います!
みずぐち・ゆうた/1997年生まれ、福岡県出身。福岡美容師専門学校を卒業後、都内1店舗を経て「シキ(siki)」へ入社。入社してすぐに透け感のあるハイトーンを打ち出し、集客に成功。現在は、「シキ オルガン(siki ORGAN)」大宮店の店長を務める。
水口さんのお客は、どういったツヤを求めて来店しますか?
ダメージ感のあるパサつきを感じさせず、光を通すような軽やかな透けツヤです。「ダメージするのは分かってるけど、やっぱりハイトーンをしたい!」という声は今も多いですが、ここ数年で変わってきたのは、“見せ方”の部分。ハイトーンでもうるおいを感じるようなツヤ感、いわば髪質改善に近い見え方が求められるようになっています。
透け感を出す秘訣を教えてください

中明度以上のケアカラーメニューで肌なじみのよい、やわらかく透けるような印象を目指しています!
複雑な履歴の髪でもツヤをきれいに見せられるように、カラーの提案段階からケアまでをセットで考えて、一緒にデザインするように心がけていますね。



モデルさんはブロンド期間が長く、リタッチを繰り返してきた履歴。1週間前に12レベルのベージュでカラーしていて、やや残留がある状態です。約2〜3cmのリタッチ幅と自然につながるよう合わせていきます。


今回は、ブリーチを前提にムラのないハイトーンへ仕上げるため、はじめに髪に残った薬剤やアルカリなどの残留物を除去します。ブリーチやカラー後のアルカリ剤がムラやダメージ、ツヤの原因になるため、内部と表面を2ステップで除去します!
その後、アルカリ除去に特化したシャンプーと髪表面のアルカリを吸着する後処理剤を使って、髪表面をなめらかに整えます。
最後にブリーチで失われたタンパク質を補うために、レブリン酸配合のトリートメント「ヘアケミスト ファイバーキュア」を塗布。髪の強度とハリコシを高め、ツヤのあるベースをつくります。


ツヤのハイトーンは、いかにダメージレスで均一なベースづくりをできるかが重要です。ブリーチ直後の髪はキューティクルが開いて、内部に小さなひびがたくさん入っている繊細な状態。
なので施術時には、力を抜きすぎず入れすぎず。最大10の力でいうと、4くらいのテンションを意識してダメージを最小限にします。均一に優しく扱うことで、仕上がりのツヤもぐっと変わります!


今回つくるのは、秋冬に人気の「オリーブベージュ」。マットな質感のオリーブベージュをベースに、サンドベージュとベージュを使って、肌なじみを良くまろやかなカラーに仕上げます。
毛先に透明感を出すためにクリア剤を加え、抜け感をオリーブベージュで引き締めていきます!
そして髪のダメージレベルに合わせて、トステア配合の前処理剤「ネント(nent)」を使い、ベースを整えてからカラー剤を塗布していきます。




今回は均一なベースをつくるためのケア処理、そして透明感を感じるカラー選定しました。特にハイダメージの今回のモデルさんは普段しないカラーですが、肌なじみもよくうまく仕上がりました!


「アラスカバーム」と「アラスカオイル」でスタイリング。毛先を散らして、透け感を演出しました!
シアーは「透き通る」や「とても薄い」を意味するため、今回は光を通すように明度は高く、彩度は抑えて、薄さとツヤでやわらかく透明感を感じられるよう設計しました。
- 執筆者
- ozawa
大阪府出身。大阪文化服装学院スタイリスト学科を卒業し、大阪モード学園美容学科通信コ―スで美容師免許を取得。
- Twitter : @kamishobo
- Instagram : @bobstagram_kamishobo
