
「韓国レイヤー」を筆頭に、日本でもブームが続くレイヤーカット。一方で、レイヤーに挑戦したくても「パサついて見える」「ツヤがなくなる」という声も少なくない。毛先を軽くしすぎると光が分散してしまいツヤが弱まる。かといって重さを残しすぎると今度は動きが出ない。軽さとツヤをどう共存させるかが、いまのレイヤーデザインの鍵になっている。
そこで今回は「韓国レイヤー」のスペシャリスト〈AMA TOKYO〉(アマトウキョウ)の蓬莱たけるさんに、ブローとドライカットでつくる、“シルクのようなツヤ髪”のプロセスを見せてもらった。
ほうらい・たける/1995年生まれ、兵庫県出身。東京モード学園卒業後、〈AFLOAT〉(アフロート)に入社。デビューから1年3カ月で売上500万を突破し第一線で活躍。22年10月に〈AMA TOKYO〉をオープンし、間嶋崇裕代表と共同代表を務める。韓国ヘアのスペシャリストとしてセミナー講師やメディア出演など活動の幅を広げ、ルベル主催「id2024」サロンスタイルアワードでゴールドを受賞。


韓国ヘアが好きなお客さまはK-popアイドルだけでなく、現地のインフルエンサーのヘアも参考にしています。彼女たちのスタイルはツヤつくり込みすぎず、スタイリング剤すらつけていないような軽さとやわらかさが魅力なんです。
日本でもまだまだ「韓国レイヤーに挑戦したいけど、パサついて見えるのは嫌」という声も少なくありません。そこで今回は、毛先の厚みを活かしたワンカールレイヤーで、軽さとやわらかいツヤをブローとカットで引き出します!


このあとドライカットで表面にレイヤーを重ねていくので、頭が大きく見えないように“ひし形”を意識してブローしています。根元を抑えるところと立ち上げるところのバランスを見ながら、全体のフォルムを整える感覚ですね。アイロンよりもブローのほうがツヤがやわらかく出て、お客さまの満足度も高いと思います

ここが重要なツヤポイントの1つ目です。
直線でレイヤーをつなぐと、各パネルごとに微妙なズレが出て毛先がバラけやすくなるんです。そうするとより軽くは見えるけどツヤは出づらいので、少しセンターに寄せてラウンドにカットします。そうすると毛束が長めに残って毛先に厚みとツヤが両方生まれるんです
2つ目のツヤポイントです。
ここをセイムレイヤーの要領でカットしてしまうと、毛先の厚みがなくなって軽くなりすぎてしまうんです。そうするとパサついて見えやすいし、今回のようなワンカールのスタイルだと隙間ができてツヤも出にくくなります。
なので先ほどと同じように、毛先に少し厚みを残すために指2本分くらい逃してカットしています。毛先の束感をそろえるようにチョップカットで整えると、毛先が馴染んでよりまとまりやすくなります


45mmのカールアイロンでワンカール。「ジェミールフラン メルティバター バーム」を薄くなじませて動きを出し、最後に「カラーモーション+ ルミナススプレー」でツヤをまとめる。
光に当たるとやわらかく透ける、自然体なシルクツヤ。レイヤーの動きとまとまりが両立した、洗練された印象に。カット/ブローだけでも十分ツヤのある質感に仕上がった。

レイヤーはすべてをつなげようとすると、必要以上に軽くなりすぎてツヤを失いやすいんです。しっかり入れるところと、重さを残すところを意識すれば、ツヤを残したままでも動きを出せます。
韓国はパーマ文化ですが、日本はアイロン文化なので、毛先に厚みを残すと毎日のスタイリングでも扱いやすいし、結べる長さもキープできて大人世代にも好評です。「レイヤーを入れると質感が悪くなる」という印象をカットで変えていきたいですね
- 執筆者
- 木村 麗音
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