他店のAfterより美しい。〈Watai〉の再来Beforeは、linkとホームケアでつくられていた

他店のAfterより美しい。〈Watai〉の再来Beforeは、linkとホームケアでつくられていた

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photo_佐野一樹(CHIYODA STUDIO)
movie_CHIYODA STUDIO

美髪ブームを牽引してきたWatai(ワタイ)代表 渡井タケトさんは言います。

「ホームケアをお勧めしていないのに、サロントリートメントだけで高単価を目指すのは違うと思う」

SNSや集客サイトに「髪質改善」のワードが溢れ、SNS用の写真を撮る“その瞬間”だけのキレイを狙った髪質改善メニューも増えました。けれども「それでは本当にお客さまの髪を考えていることにはならない」と渡井さん。

渡井さんの提案とともに、未来の髪を考えたヘアケアとは何かを紐解きます。


ホームケアとlinkトリートメントでここまで美しくなる! Wataiスペシャルトリートメントmovie▼


渡井タケトさんが最も意識しているのは、顧客が再来店したときのBeforeの状態だと言います。

渡井タケト

Wataiでは、お客さまの来店時のBeforeが、まるで他の美容室のAfterであるかのような状態で来店いただくことを大事にしています。

仕上がりをキレイにするのは当たり前。継続的な美しさのために何が必要かを考え、ホームケアの必要性を1人ひとりに伝えてきました。

渡井タケト

僕はアシスタントの頃からずっと店販を丁寧に勧めて、ご購入いただいてきました。本当にお客さまの髪をキレイにするには、ホームケアはその中核を担います。

「ホームケアのためのサロンケア」「サロンケアのためのホームケア」。

この2つのバランスが取れていることは、20代の頃から変わっていない考え方ですね。

 


Wataiでは全体のトリートメント率91%のお客さまの中で、8割の方にlinkを使ってトリートメント施術をしています。自身でも商材を開発するほどの知識レベルの渡井さんが、linkをこれだけ使っているのはナゼなのでしょうか?

渡井タケト

ノーマルな髪質のお客さま、縮毛矯正毛、ブリーチ毛、エイジング毛、すべての毛質を網羅しているのがlinkだからです。

ハイダメージ毛、linkを使うほどでないダメージ量であれば他の商材を使うこともありますが、linkが立ち上がって7年間、ずっとlinkを中心に置いて営業していますね。

今回のモデルもWataiに通って4年のお客さま。カラー&トリートメントを2週間周期で行っている。
渡井タケト

お客さまの些細な変化を敏感に察知して、説明して、施術することができるのもlinkの良さ。

linkの同じアイテムを使っていても分量を変えたり、塗布幅を変えたりして、質感を見ながら施術しています。

Beforeの状態を見て、質感を確認しながら施術内容を変えている。
渡井タケト

linkで髪の毛を育ていく。

これが習慣としてお客さまに根付いています。

美容師としても、お客さま1人ひとりに合う新商品や時代にあった商品がどんどん出てくるので、いつも楽しく使っていますね。


ここからはモデル事例を解説。まず、モデルの髪質を見極め、プロセスを決定します。

【Step1】シャンプー〜「頭浸浴」

【Step2】メルトウレアで“持ち”UP

・使用方法:メルトウレアが主成分の「0+」原液を全体に塗布。

・効果:トリートメントの持ちが良くなる。

【Step3】高濃度のアミノ酸で“やわらかさ”UP

・使用方法:高濃度のアミノ酸が主成分の「1+」原液を塗布。

・効果:髪のやわらかさが表現しやすくなる。

【Step4】高濃度のPPTで“ハリコシ”UP

・使用方法:高濃度高分子ケラチンが主成分の「3+」。地肌からつけると、根元の立ち上がりが良くなる。ブリーチ履歴部分にも塗布。

・効果:髪の芯をつくり、ハリコシを出す。

【Step5】CMCを補充

・使用方法:毛髪の水分を補修する「1」と高濃度のアミノ酸が主成分の「1+」を3:1で塗布。

・効果:髪にやわらかさが出る。

【Step6】CMCを補充し、中間〜毛先を“しっとり”

・使用方法:髪の脂質を補修する「2」と超濃密リペアオイルが主成分の「2+」を3:1で塗布。

・効果:髪がやわらかくなり、しっとりまとまる。

【Step7】PPTで“しっとり”のベースをつくる

・使用方法:ヒートアクティブPPTが主成分の「4」のペーストを全体に塗布。

・効果:髪がやわらかくなり、しっとりまとまる

チェンジリンス・流洗

チェンジリンス・流洗を行ってから、2回転目のプロセスに移ります。

【Step8】2回転目の1+

2回転目は手で質感を確認しながら、塗布幅を変えていきます。

【Step9】2回転目の3+

【Step10】2回転目の1・1+

【Step11】2回転目の2・2+

【Step12】PPTでブリーチ履歴に“ハリコシ”UP

・使用方法:ブリーチ履歴部分に、ナノサイズのプラチナPPTが主成分の「3」と「3+」を塗布。

・効果:髪の芯をつくり、ハリコシを出す。

【Step13】2回転目の4

チェンジリンス・流洗

放置時間なしでチェンジリンス・流洗を行います。

【Step14】ケラチンミストを塗布

「ヒートリアクションケラチンミスト」はトステア配合のミスト。ツヤUP、手触りUP、まとまりが良くなります。ヘアカラー後やストレート後にミストを塗布した後、ドライ〜アイロン施術を行います。

ケラチンミストでトリートメントやこれから加える熱をシールしていきます。
ヒートリアクションケラチンミスト(洗い流さない反応型トリートメント)

【Step15】ドライ・アイロン

仕上がり

Before

Before

After

After


渡井タケト

今回のモデルさんは4年間担当していて、2週間に1回来店してくれているお客さま。linkの周期的な40分のケアでここまで髪は美しくなります。

渡井タケト

女性の髪は命。

命をお預かりしているという責任感ですべてのお客さまを担当したら、売り上げも上がり、指名も減ることなく、単価も上がります。

単価アップのためのトリートメントではなく、お客さまの当たり前を当たり前にしていくためのヘアケアを「定期的」「周期的」に継続する。これこそが美容業界が辿り着くはずの髪質改善メニューではないでしょうか。

渡井タケト(わたいたけと) / Watai 代表
Profile
渡井タケト(わたいたけと)

Watai 代表

1985年8月22日生まれ。静岡県出身。高校時代にカナダへ1年留学。早稲田美容専門学校卒業後、TAYA入社。25歳でスタイリストデビューし、26歳でTAYA自由が丘店の店長に就任。2014年より静岡の実家が経営するTop Styleで本店店長兼技術教育マネージャーを務めた後、2019年にWatai自由が丘オープン。モデルや有名人の美髪をサポートし、2021年には移転拡張。酸熱トリートメントがメニュー化する前から先行して酸熱を使いこなし、2017年からは酸熱トリートメントの講師として全国で活躍。

ozawa
執筆者
ozawa

大阪府出身。大阪文化服装学院スタイリスト学科を卒業し、大阪モード学園美容学科通信コ―スで美容師免許を取得。

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