サロンワークに欠かせない、シャンプーやプレーンリンス、トリートメントといったシャンプー台での施術。その時間は髪と頭皮のケアを叶えるだけでなく、顧客の気持ちを整える大切なひとときだ。
近年、ヘッドスパをはじめとする頭皮や髪のケアメニューが浸透し、“心地よさ”にこだわるサロンも増えてきた。こうしたニーズに応えるかたちで、タカラベルモントが8月に発売したのが「マルチスパヘッドプロ(multi SPA-HEAD PRO)」だ。シャワーヘッドに4種のアタッチメントを装着することで、ヘッドスパやシャンプーの体験価値を格上げするだけでなく、単価アップも狙えるという。
今回はその実力を確かめに、大阪の人気ヘッドスパサロン〈Ermé〉(エルメ)を訪ねた。スパニストの伊賀友哉さんに加え、「マルチスパヘッドプロ」の製品企画を担当したタカラベルモント・下川功祐さんにも同席してもらい、特徴やサロンでの活用例について話を聞いた。
大阪市内のヘアサロンでスパニストとしての経験を積み、2022年にヘッドスパ専門サロン〈Ermé〉をオープン。代表兼スパニストとして髪質改善やフェイシャル施術などトータルケアを提供し、連日キャンセル待ちが続く人気店に。現場の視点を生かし「マルチスパヘッドプロ」の開発にも協力。

まずは、編集部が伊賀さんに「マルチスパヘッドプロ」を使って施術してもらった体験ムービーを見てほしい。
顧客にとって何より大切な“心地よさ”がどう変わるのか。編集部の率直な体験コメントでその変化をお届けする。

実際に体験してみると、アタッチメントそれぞれで心地よさが違うことがわかった。ここからは、タカラベルモントの下川さんがその特徴を紹介する。
        下川 功祐
「マルチスパヘッドプロ」の各アタッチメントの効果や特長について、順番にご説明します。

アタッチメント内の羽根車が水圧で回転することで生まれる、らせん状の水流が特徴です。高圧洗浄吐水によって髪と頭皮の汚れや皮脂、落ちにくいカラー剤を除去します。水の飛び散りを防ぐフードがついています。

細かくやわらかなブラシが、お湯で頭皮を温めながら心地いい刺激を与えます。髪をとかすように流せるため、すすぎの場面やカラー剤の乳化を効率化します。

3点のほぐしゴムが頭皮にフィットし、ツボ押し。同時にシャワー状のお湯で温めながら、軽い力でもしっかりと頭皮をほぐします。

空気を含まないまっすぐな水流で、頭全体を包み込むような体感に。水流の音が静かでリラックスタイムをより心地よく演出します。アタッチメント内部に炭酸タブレットをセットして使用することで、簡単にシュワっとした炭酸の心地よい効果や香りをプラスすることができます。
        下川 功祐
これら4つのアタッチメントを手技と組み合わせて使うことで、お客さまに心地よい体感を生みだしシャンプー台での体験価値を一段と高められるようになりました。

「マルチスパヘッドプロ」は、“この施術にしか使えない”という決まりがなく、あらゆるサロンワークに応用できる。〈Ermé〉伊賀友哉さんの施術プロセスと、タカラベルモントが提案するカラー施術での活用例をもとに、各アタッチメントの使い方とその狙いを紹介する。
        伊賀 友哉
〈Ermé〉ではお客さまの髪質や頭皮の状態、仕上がりのご希望にあわせてアタッチメントを使い分けています。ここでは動画でも施術した基本メニューでの活用方法を紹介します。




少量のお湯を出しながらブラシをジグザグに動かすことで、効率よくカラー剤を乳化できる。さらに細かなブラシで、頭皮に心地よい刺激を与えられる。

洗浄力の高いらせん状の吐水で、カラー剤や残留物をしっかり落とす。顧客にとってもしっかり洗われている心地があるため、洗い残しへの不安も軽減される。

炭酸タブレットで簡易的な炭酸シャワーをつくり、カラー後の残留アルカリを取り除く。その後のトリートメント流しでは、通常の整流吐水で髪と頭皮を落ち着かせるように仕上げる。

「マルチスパヘッドプロ」は顧客体験を高めるだけでなく、単価アップにも貢献する。ムービーでも紹介したヘッドスパでは、通常のシャンプー施術に約15分を加える構成で、2,000〜3,500円のメニューアップ提案が可能だ。
また、カラー流しではブラシタイプを活用することで乳化や流しを効率よく行えるため、施術の時短にもつながる。その短縮できた時間を使って1,000円前後のショートスパメニューとして提案すれば、施術時間をほとんど変えず単価アップを狙える。
各アタッチメントがもたらす心地よさは、顧客体験を高めながらサロンワーク全体の価値を引き上げる。効率化・単価アップ・体験価値向上のすべてを両立できる点が、「マルチスパヘッドプロ」の最大の魅力だ。


シャンプー台まわりの機器製品は、大きな設備投資や設置工事が必要となるケースも多く、導入ハードルが比較的高めだ。その点「マルチスパヘッドプロ」は、対象のシャワーヘッドにアタッチメントを取り付けるだけで使用でき「セット/税別7万9000円〜(2025年11月時点)」とコスト面でも導入しやすい。
そしてセットにはアタッチメントを2つまで取り付けられるホルダーが2個付属しており、吸盤で対象のシャンプーボウルにかんたんに固定できる。画像のようにボウルの内側に2か所配置すれば施術中でも手の届く位置にあり、付け替えのオペレーションもスムーズだ。省スペースで扱いやすく、サロンワークの動線も妨げない。
        伊賀 友哉
開発に3〜4年かけたという話も聞いていて、現場目線で作られているからこそサロンワークで使っていて納得感があります。導入も手軽で、アシスタントの方でも扱いやすいですし、技術の幅も広がる。ほかのサロンと差別化できるという意味でもありがたい存在ですね。


※写真は切替式小型シャワーヘッド付き仕様(税別8万7000円)。シャワーヘッド非付属タイプもあり(情報はすべて2025年11月時点のもの)
導入しやすいだけでなく、施術の質や顧客体験を高めながら、メニュー提案や単価アップにもつなげられる「マルチスパヘッドプロ」。手軽さと体験価値の向上を両立するプロダクトとして、サロンワークと経営の両面での活躍が期待できる。
YUMEシリーズをはじめ対応機種も多く、取り付け方法もシンプル。製品の詳細や使用感は、タカラベルモントのショールームで実際に体感できる。
- 執筆者
 - 木村 麗音
 
- Twitter : @kamishobo
 - Instagram : @bobstagram_kamishobo
 

						
											
											
											
											
											
											