予約につながる人のインスタは、どこが違う?“なんとなく投稿”を卒業する3つのピース

予約につながる人のインスタは、どこが違う?“なんとなく投稿”を卒業する3つのピース

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photo_橋本美花
Illust_むー

テンプレ通りの投稿、きれいな写真。誰もがそれっぽいアカウントを作れる時代。

でも、「いいねより予約を埋めたい」と本気で思うなら、予約につながる“理由”が重要だ。フォロワー数やバズるかどうかより、その人らしさや設計力にこそ差が生まれている。

今回は、SNSを軸にしたセミナーやオンラインサロンを通じて、多くの美容師をサポートしてきた〈COA〉髙橋英昇さんと〈NEXT〉KUMAさんが登場。彼らが語る「予約につながるインスタ3つのピース」から紐解いていく。

髙橋英昇/〈COA〉代表
初代立ち上げメンバーとして統括プロデューサーを務める。年間5,000人以上の前髪・顔周りデザインを手がけ、全国で技術セミナーやSNSコンサル講師として活動は多岐にわたる。

KUMA/〈NEXT〉副社長
24歳でフリーランスに転身し、顧客ゼロからインスタのみで売上100万円を達成。これまで500人以上のインスタ集客をサポートし、オンラインサロンで200人の生徒に集客ノウハウを発信する。
KUMA

インスタ集客には、まず「ニーズを理解すること」が大切です。「これがウケそう」「最近こういうの流行ってる」って、なんとなくの感覚で投稿してる人って多いですよね。でも、フォロワーやお客さんが内心どう思ってるか、何を求めてるかまでちゃんと見えてる人って、意外と少ない。

漠然と発信するのではなく、誰に向けて何を届けたいのか決めること。それが予約につながるベースになります。

英昇

2つ目は「プロフィールの設計力」です。自己紹介、ハイライト、ピン留め、美容師にとっては名刺みたいなもの。どんな美容師か、一目で伝わるかが勝負です。

初めて見た人が迷わず魅力を理解できて、余計なハードルなく予約までたどり着ける。予約が入る人ほど、その導線をちゃんと考えてプロフィールを組み立ててます。

KUMA

最後3つ目は「親近感」です。カウンセリングや接客の空気感、写真や動画から伝わっているかどうかでアカウントの印象はだいぶ変わります。ニーズが見えててプロフィールも整っていれば、あとは「この人なら大丈夫そうだな」という安心感が大事。そのちょっとした信頼感が、来店の後押しになるんです。

英昇

ここまでが、インスタで大事な3つのポイントです。でも結局のところ、自分のやりたいことがハッキリしていないと続けるのもしんどいし、見る人にも伝わりません。まずはKUMAさんが提案する“ブレないための3ステップ”から、自分のインスタをまっさらな目で見直してみましょう。

KUMA

インスタ集客は、Who(誰に向けて発信するか)、What(何を発信するか)、How(どのように発信するか)の順番で考えることが大切です。特化だけで予約につながる時代は終わり、ターゲットの”好きなもの“をどれだけ理解して届けられるかが求められます。

KUMA

なんとなく投稿しているだけでは、なかなか届けたい相手には届きません。まず考えたいのは「誰に向けて発信するのか」です。

たとえば、自分が得意なスタイル(スパイキーショートや前髪レイヤーなど)をインスタで検索してみると、好きな層の共通点が見えてきます。年齢、職業、ファッション、写真の雰囲気、スタイルの好みまで、細かく観察してみてください。なんとなくではなく、「こんな人に届けたい」と思える具体的なイメージを持つことが大切です。

サロンワーク中の会話にもヒントがあります。お客さまが口にする悩みや好みをメモしておき、あとから共通点を整理するだけでも精度はぐっと上がります。

英昇

届けたい相手が必ずしも“お客さま像”ではなく、たとえば「自分自身」が発信の軸でもいいと思います。

自分の好きな世界観がはっきりしていれば、そこに共感する人が自然と集まってくるので。〈COA〉でも、まず「自分は何が好きで、どんな表現をしていきたいか」をはっきりさせるところから始めています。そこから投稿の並びやプロフィールなど必要な導線を整えていくと統一感が出て、届けたい相手像もクリアになっていくんですよね。

KUMA

どんな美容師として見せたいか、どんな強みを印象づけたいか。次に考えたいのが「何を発信するか」です。ターゲットを決めたら、その人が“見たい・知りたい”と思えるコンテンツになってるか見直していきます。自分の得意分野や魅力が、ちゃんと相手に伝わるかが重要です。

そのためには、一度インスタの発見タブや検索で、似たジャンルの人気投稿を観察してみてください。どんな撮り方や言葉が刺さっているのかを分析することが一番の近道です。

 見て、考えて、試す

1.  発見タブや検索で、似たジャンルの伸びている投稿をチェック
2.  共通点を探す
(文字入れ、音楽、キャプション、ファッション、背景など)

3.  自分の投稿に落とし込んでみる

英昇

撮り方や編集の“今っぽさ”は、けっこう日々変わっていきます。そういう感覚は若い世代のほうが敏感だったりするので、僕もリール動画に使う音楽などは若手スタッフから教えてもらうことが多いです。ただ大事なのは「どんな美容師として見せたいか」。届けたい印象に沿って、伝え方を選ぶようにしています。

KUMA

WhoとWhatがクリアに慣れば、自然と発信すべき内容が見えてきます。
ここからは、COAさんを例に美容師の王道コンテンツを紹介します。ニーズ(どれだけ求められているか)、親近感(距離の近さ)、集客力(予約のつながりやすさ)の3軸でスコア化してもらいました。どれか一つを極めるというより、届けたい相手をイメージして組み合わせるのがポイントです。

英昇

王道で検索や保存もされやすく、集客にもつながりやすいジャンルです。だからこそクオリティそのものや差別化が重要になってきます。最近はモデルさんの自撮りだったり、自分なりの世界観を映した投稿もよく見かけますね。

英昇

いま主流なのはテンポの速い短尺リール。表情や声かけも伝えやすく、接客の雰囲気まで感じられます。新規の方の心理的なハードルを和らげたり、動画なのでヘアスタイルの信ぴょう性も伝えるのにも効果的です。ただ、編集の手間は一番かかります。

英昇

カット動画など、ビジュアルで伝わるぶん、言語の壁を超えて海外にも届きやすいジャンルです。うまくハマれば一気にリーチが伸びる拡散力も魅力。ただ、海外フォロワーが増えすぎるとターゲットがぼやけることもあるので、ある程度集客の土台ができた人向けになります。

英昇

一番、自分らしさを出せるジャンルだと思います。ファッションやVlog、ちょっとした日常で人柄が伝わるから、共感やファンづくりにもつながります。セミナーなど外部仕事の様子も入れると、自然と信頼感も高まっていきます。

英昇

直感的に「真似したい!」と思わせる短尺リールがいま強いですね。工程が少なく、日常で実践しやすい内容は保存されやすい。ニーズが高い反面、見られるだけで終わらせずにどう予約につなげるかが勝負どころです。

まずは投稿。繰り返しが力になる

KUMA

大切なのは、止まらずに発信し続けること。完璧を追い求めたくなりますが、最初は70%でもいいからできるだけ毎日投稿する。センスだけじゃなく、止まらずに試行錯誤できる人が強いんです。

とはいえ発信以前に技術力が足りないケースもあります。カットや仕上げのクオリティなど、取り組むべきことを見極めながらレベルアップしていきましょう。

英昇

今回の特集では〈COA〉のメンバーたちにも協力してもらい、インスタ運用を総点検していきます。次回はアートディレクターによる“伝わるビジュアル”の作り方。たとえ同じコンテンツでも、一目見たときの「絵の強さ」で結果は大きく変わります。お楽しみに!

木村 麗音
執筆者
木村 麗音

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