顔周りのラインが宿す、シティモードなメンズボブ〈Laji〉山田竜也

顔周りのラインが宿す、シティモードなメンズボブ〈Laji〉山田竜也

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特集:NEXT MEN

Photo_永野逸朗

パーマや無造作で動きをつけるだけではなく、ラインで見せる。〈Laji〉(ラジ)の山田竜也さんが提案するのは、中性的なやわらかさに、構築的なエッジを宿したボブスタイルだ。

メンズの王道デザインとは異なるアプローチで、ヘアをファッションの一部として楽しむ。そんなファッション感度の高い大阪の男性たちが、彼のもとに集まっている。街に映える“シティモード”をコンセプトにした、一瞬で記憶に残るフォルム。その設計図を見せてもらった。

山田竜也(ヤマダタツヤ)/2002年生まれ。関西美容専門学校卒業後、新卒で〈Laji〉に入社。アシスタント時代に月間売上100万円を達成し、同年12月にはスタイリストとして月間200万円を記録。「シティモード」をコンセプトに中性的かつ構築的なスタイルを発信し、セミナーや業界誌など活躍の幅を広げている。

顔にかかるラインで
輪郭にモードをひとさじ

山田さん

ボブって、どうしてもナチュラルとか優しい印象になりやすいんですけど、今回はそこに少し構成的な要素を加えています。
わずかに前下がりのワンレンをベースに顔周りにステップを入れ、ラインを強調してつくるストリートでもアンニュイでもない“都市っぽさ”。中性的だけど目に残る、そんなバランスを狙っています。


前上がりの、左右2段のステップカットで骨格にフィット。
①分け目から目尻までの幅で、頬骨ラインに沿わせてカット。
②リップラインから約1cm外側にもう一段ステップをつくる。

山田さん

カット自体はベーシックなワンレングスですが、シンプルになりすぎないニュアンスを意識しています。

ぱつっとしたカットラインが主役になるぶん、どこまでをタイトにして、どこに動きを残すかが印象を分けるポイント。今回はモヒカンラインの長さ設定をステップカットのラインに合わせ、スタイリング時の毛先に空気感が出るように設計しました。そうした“ちょっとしたズレ”が、モードだけど硬くなりすぎないフォルムをつくります。


山田さん

少し遊びを聞かせたスタイリングで、顔周りに抜け感を入れています。フロントは「逆V」のブロッキングで波巻きを施し、動きと透け感を強調。バックはウェイト位置にあわせて内巻きを入れ、自然なくびれをつくりました。

質感は、バームとクリームのミックスでセミドライに。「ilma」のライトバームと〈nigelle〉のスモーキードライクリームを混ぜて使っています。

中性的なシルエットをベースに、ラフな波巻きでエアリーな動きをオン。アウトラインとのコントラストもフォルムに立体感を生む。
山田さん

サロンワークでは基本デザインはお任せが多く、お客さまの顔立ちに合わせてデザインを変えています。

たとえば、二重がぱっちりした方であればステップカットではなく、縦のレイヤーで目の周りにシャギーな動きを加えるほうが抜け感が出やすい。今回のようにやや切れ長な目元の方には、目の下にライン感をつくることでモードな雰囲気をより強調できます。そこにもう一段ステップを重ねて、いまっぽい抜け感をつくりました。

どこかにさりげなく、モードなテイストを加えるのがこだわりです。

木村 麗音
執筆者
木村 麗音

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