月100回シャドールーツする男、桑原大貴が提案するナチュラルグラデ How to
「シャドールーツ」とは、その名の通り「根元(Roots)」の「影(Shadow)」となる暗い色を入れてデザインをつくるテクニックで、バレイヤージュのひとつ。
根元と毛先の境目をなじませたり、逆にコントラストを強くしたり。根元の幅を広くしたり狭くしたりとそのバリエーションは無限大。
ブリーチ・ハイトーンがスタンダードとなった今、お客さまの伸びてきてしまった「根元」をシャドールーツで、いつもとは一味違うデザインを提供しませんか?
そこで今回のブログは「なじむデザインで立体感も楽しめる。そんなナチュラルデザインの秘訣」をCcrew 桑原大貴さんが紹介します!
※この記事は月刊BOB 2021年7月号の特集を引用しています。
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自然なグラデに見せる3つのワザ
1.中間の乳化でやわらかくつなぐ
根元と毛先をつなぐ際、中間部分でバツっとラインが出てしまうときれいなシャドールーツにならない。
きれいなグラデーションに仕上げるコツは、根元と毛先の薬剤の中間地点での乳化だ。また、色が沈み込まないような薬剤選定もポイント。
2.ブロッキングで立体感+スジ感
モヒカンラインをジグザグに部ブロッキングすることでほんのりとしたスジが生まれ、デザイン性もアップ。
さらにモヒカンラインとそれ以外で暗くする部分の割合を変えることで立体感も生まれる。
3.安定感のある「ピンク」を補色で使用
桑原さんが大切にしているのはオンカラーの安定感。
無彩色やベージュ系でまとめることが多く、その際に黄味を打ち消す補色としてピンク系を使用する。
パープルを避けるのはダメージによって部分的に沈み込むのを防ぐため。
デザインの組み合わせ無限大
バレイヤージュ、エアタッチなどを組み合わせると、月に100回以上シャドールーツを入れるという桑原大貴さん。立体感のある自然なグラデーションに仕上がるのが特徴だ。
桑原さんはシャドールーツを「全頭ブリーチから次のデザインに移行する間に楽しめるデザイン」と位置付けている。
そのため、褪色の過程では根元に赤みが出づらく、次回以降新しくデザインを入れる際に邪魔にならないようなアプローチをかけている。
薬剤選定と薬剤のつなげ方にポイントがあります。
その分、ブリーチワークなどは次回のリタッチを考えて塗布ムラができないようにするなど、ブリーチベースのつくり方はシンプル。
オンカラーで立体感や透明感などつくっていくのが僕の考え方です。
ナチュラルだけど立体感のあるデザインを楽しめる、そんな桑原流の秘訣を掘り下げていく。
ナチュラル感を生むポイント
ポイント① 中間部分を水で乳化
根元の中間部分を乳化させ、その後塗布する毛先の薬剤と自然につながるように塗布していく。
水スプレー⇒薬剤塗布を行い、中間部分で乳化。指でなじませるように塗布していく。
ポイント② セクションごとに明暗の割合を変える
ポイント③ 補色はピンク系がおすすめ
黄味をおさえるために補色としてピンク系を使うのが桑原流。
バイオレット系の場合、ダメ―ジ部分などに深く入りすぎる場合がある。ピンク系はマイルドに仕上がり、色が入りすぎないので、その後の影響も少ない。
乳化と無彩色カラーでつくるナチュラルデザイン
肌なじみの良いベージュ系でまとめるテクニックを全部紹介します。
レシピ
根元ブリーチ
1剤/パウダーブリーチ
2剤/OX6%(2倍)
※使用ブランド:FIBERPREX
中間~毛先ブリーチ
1剤/パウダーブリーチ:クリア剤=1:1
2剤/OX3%(2倍)
※使用ブランド:FIBERPEX
根元
1剤/[6Lv ヴェールグレイ:5Lv モノトーン=2:1]:8Lv ヴェールマゼンタ:6Lv ピンクパール=1:10%:10%
2剤/OX2%(2倍)
※使用ブランド:KOLESTON PERFECT+ , F.Color BLカラー, KOLESTON PERFECT+ , SOFTOUCH
毛先
1剤/[10Lv ヴェールグレイ:6Lv ブラウン:コントロールカラー プラチナ=1:10%:10%]:8Lvヴェールマゼンタ:6Lv ピンクパール=1:20%:20%
2剤/OX3%(3倍)
※使用ブランド:KOLESTON PERFECT+ , SOFTOUCH
ポイント
①グレーorベージュ系の無彩色でまとめると次回のカラーチェンジもしやすい
②補色はピンク系で!深く入りすぎるムラサキはNG
プロセス
ブリーチ
オンカラー
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いかがでしたか?
「根元」が伸びてきたときに境目を目立たせず、デザインに変える技術「シャドールーツ」。
「根元」にフィーチャーしたテクニックをマスターしてみませんか?
月刊BOB 2021年7月号では、【ハイトーンで気にすべきは”根元” SHADOW ROOTS】という特集で様々なバリエーションのシャドールーツの技術が掲載されています。
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- Profile
- 桑原大貴(くわばらたいき)
C crew(シークルー)/東京・渋谷
1990年7月26日生まれ。新潟県出身。新潟理容美容専門学校を卒業後、都内1店舗を経てALBUM入社。2021年4月より渋谷C・crewに副代表として参加。カラー技術や薬剤知識に定評があり、セミナー講師なども務める。
- 執筆者
- sae