〈メンズスタイリング部門〉定番から新鋭まで、パーマスタイルを支えるアイテムが上位に
編集部では都内90サロンを対象に「2024年に最も売れた店販商品」についてアンケート調査を実施した。カテゴリは「シャンプー・トリートメント」「レディーススタイリング剤」「メンズスタイリング剤」「ヘアツール」の4つ。その中で今回は「メンズスタイリング」部門の結果発表を行う。
写真:シミズエリオ
ベストプロダクトアワード2024
メンズスタイリング部門
1位に輝いたのは、中野製薬の「モデニカ ナチュラル(MODENICA NATURAL)」。2位と3位には、アリミノの「アリミノ メン(ARIMINO MEN)」と「ダンスデザインチューナー(Dance design tuner)」が続いた。
手軽さとラフな質感が鍵
ここ数年で10代から20代男性のパーマ比率が急増し、今年ついに20%を超えた(*)。スタイリングのトレンドもパーマやくせ毛を活かした「セミウェット」と「ナチュラル」がキーワードとして注目されている。
男性客にとって製品選びの最大のポイントは「手軽に再現できるかどうか」にある。サロンでの仕上がりを自宅でも簡単に再現できる製品は、日常的な満足感を生み出し信頼を得やすい。今回ランクインした製品に共通する、ナチュラルな質感や適度なキープ力、柔軟なスタイリング性能はこうしたニーズにしっかり応えている。
また意外なポイントとして、“使い切りやすい適量設計”が挙げられる。「無駄なく使い切れる」という達成感は「自分に合った製品」としての評価を高め、リピート購入を促す効果がある。機能性だけでなく、こうした心理を理解し活用することも顧客との信頼を深める鍵となりそうだ。
以下に人気の理由やサロンの取り組み、編集部が注目するピックアップ製品を紹介する。価格は編集部調べ。
(*)「ホットペッパービューティーアカデミー」美容センサス2024年上期「15~69歳男女の美容サロン利用実態」
1位「モデニカ ナチュラル」
モデニカ ナチュラル J
「モデニカ ナチュラル J」は、圧倒的な使いやすさと、メンズ特有のくせ毛やパーマスタイルに対応できる柔軟性が支持を集めた。ゼリーのようなみずみずしいテクスチャーから「ジェルなのに固まりすぎず、手直しがしやすい」「適度なツヤ感があり、自然な仕上がりになる」といった声が多く、現代の男性が求める“ナチュラルさ”と“セット力”の両立を実現している。
また、適度なツヤ感を与えつつベタつかない仕上がりは、日常使いにも最適。「程よい質感でパーマ以外にも多くのスタイルに対応できる」といった声も寄せられており、幅広い顧客層に支持される理由となっている。現代のメンズスタイリングの定番ともいえる製品だ。
2位「アリミノ メン」
フリーズキープ グリース
適度なセット力とウェットな質感を活かしたスタイリング性能が特徴の「フリーズキープ グリース」。ハードなキープ力を持ちながらも動きを出しやすく、さらにハード系のスタイリング剤に特有の洗い流しにくさも改善している点が大きく評価された。スタイリング後の負担を軽減し、日常的な使いやすさが際立っている。
アンケートでは「キープ力が強く、かたまりすぎず質感が今っぽい」「ワックスでは再現できないウェット感とキープ力がある」といった声が多く、現代の男性が求める“ナチュラルさ”と“スタイリング力”の両立を実現している。
3位「ダンスデザインチューナー」
ロッキンムーブ
軽さと操作性を重視した「ロッキンムーブ」は、動きのあるスタイルを自在に作れるハードワックスとして高い評価を得た。ポイント使いでパーマやクセ毛を活かしたヘアデザインにも適しており、ナチュラルな仕上がりと扱いやすさが特徴だ。また、ニュートラルなデザインのパッケージは女性からも人気だ。
アンケートでは「付けた時のベタつかない軽い質感で顧客がスタイルを再現しやすい」「同じブランドのスタイリング剤と組み合わせることでデザインの幅が広がる」といった声が寄せられ、扱いやすさとデザイン性の両立が幅広いシーンでの支持につながった。
ピックアップ
「エトラス(ETORAS)」
レアバーム
ホーユープロフェッショナル
ピックアップは、エトラスのスタイリングバーム「レアバーム」。独自の“レアタッチ処方”により、伸びが良く髪に馴染みやすいテクスチャーを実現。他にはない滑らかな使用感が特徴的で、ワックス特有の硬さやバームの重さが苦手な人にも扱いやすい。
さらに美容成分も配合。スタイリングしながら髪の保湿・補修を同時に叶えるヘアケア効果も魅力的だ。アンケートでは、「今は男性もさりげないスタイリングが好み。カチカチにならず自然に髪を整えてくれる」「類似品のない使用感」など、独自の質感が高い評価を集めた。
次回はドライヤーやヘアアイロン等のヘアツール部門の発表を行う。
- 執筆者
- 木村 麗音
日本美容専門学校を卒業後、都内ヘアサロンでの勤務を経てキャリアを転換。少年ジャンプ編集部で3年間編集アシスタントを務める。その後、髪書房に入社しウェブメディア「ボブログ」の編集およびメディアマーケティングを担当。
- Twitter : @kamishobo
- Instagram : @bobstagram_kamishobo