ミディアムレングスにもちょっと満たない、肩から鎖骨レングスのヘア。”伸ばしかけ”として扱うことも多い長さですが、「クラヴィカット」としてトレンドの最前線に。セレーナ・ゴメスやカーラ・デルヴィーニュなど、海外セレブたちもこのレングスを楽しんでいます。
今回はナチュラルで柔らかなスタイルが人気の〈LOAVE〉yokoさんと一緒に、最新トレンド「クラヴィカット」を読み解いていきます!
伸ばしかけ改め”クラヴィカット”
英語の「Clavicle(鎖骨)」から名付けられた「クラヴィカット」は、肩〜鎖骨ラインにカットされたヘアスタイル。肩前の髪を後ろよりも少し短くカットし、鎖骨まわりを美しく見せるのが特徴です。
これまでは「伸ばしかけ」や「扱いにくいレングス」とされがちだったこの長さですが、実は多くの魅力が詰まっています。
肩ぎりぎりのレングスが
ボリューミーなニットを引き立てる
クラヴィカットで大人の冬支度
デザインポイント
yoko:
冬にニットなどボリュームがある洋服を着る人には、肩につくかつかないかくらいのレングスがおすすめ。ファッションも含めて、トータルのバランスが取りやすいレングスです。これより長いと首周りに重さを感じてしまうので、この絶妙なレングス設定が重要です。
とはいえ、全てワンレングスだとやっぱり重く感じてしまいます。ベースはワンレングスでも顔周りにレイヤーを入れたり、前髪を上げても下ろしてもいいような長さに切ってあげるなど、ポイントをつくってあげるとほどよく軽さを出すことができます。
暗髪の人の場合は、パーマをかけたり巻いてスタイリングをするなどして、柔らかな質感をプラスしてあげるといいですね。
鎖骨周りの毛先の表情で
ジャケットスタイルを着崩して
クラヴィカットで纏う冬の軽やかさ
デザインポイント
yoko:
ジャケットなどの衿のあるアウターやカッチリ系のアウターを好む人には、鎖骨レングスで毛先に動きが出やすいクラヴィカットを提案したいです。髪が綺麗に収まりすぎてしまうと、アウターの雰囲気と相まってコンサバティブに見えてしまいがち。ヘアはしっかりレイヤーを入れて、毛先がどこで跳ねてもOKというくらいのざっくり感のほうがバランスが良いと思います。スタイリングもラフにできるし、結んで落ちてくる髪も可愛いスタイルです。
ポイントは顔周りのレイヤーはベースのレイヤーから独立させて入れていること。繋げないことでクラヴィカットらしい重さも残しながら、軽やかさを出せます。もちろん小顔効果も狙えますよ。
繋げないレイヤーは毛量が多くてボリュームが出やすい人や、髪が短い人にも有効。顔周りとベースカットに差があることで、よりレイヤー感を感じてもらえます。
クラヴィカットが持つ
3つの魅力
1.ボブとはひと味違う楽しみ方
ボブの長さでウエーブをつけると、ボリュームが出過ぎて頭が大きく見えてしまいがち。でも、クラヴィカットならその心配は無用。この長さはバランスが良く、さらに結べるのもポイント。アレンジやスタイリングの幅が広がります。
2.秋冬ファッションに溶け込む毛先
フォルムもトーンも重くなりがちな秋冬ファッションに、肩から鎖骨の高さに出てくる毛先の存在感が効いてきます。見る人の視線を引き上げ、スタイル全体を軽やかに見せてくれます。
3.全体の長さを変えずに変化を
顔周りに少し変えたり、レイヤーを入れるだけで雰囲気をがらりと変えられるのがクラヴィカット。髪を伸ばしている途中で長さを変えたくない人や、ヘアスタイルをなるべくキープしたい人にも、飽きさせない提案ができます。
バリエーションを楽しもう
yokoさん:
頑張って伸ばしている途中だったり、切りたいけどボブにするのは少し不安という人だったり。クラヴィヘアのレングスの方はけっこう多いです。もちろんこの長さを目指してオーダーくださる人も。
特に伸ばし途中の場合、毛先を整えるだけというオーダーになりがちですが、やっぱりみんなできることなら変化が欲しいと思います。提案する美容師側も、今のその長さも楽しませてあげたいですし。そういう時に、クラヴィカットは変化がつけやすいレングスだと思っています。
ベースは重くても、レイヤーの入れ方や入れる場所で雰囲気はいろいろと変えられます。今回の1点目と2点目のように、少し長さが変わったら顔周りにレイヤーを加えてみたり、前髪にポイントをつくってみたりと、ちょっとした変化で楽しんでもらえたらと思います。