「韓国風スタイル」で失敗しないポイント①ヨシンモリの鍵は「カド」にあり!
オルチャンにヨシンモリ、タンバルモリにキンモリ。タッセルカット、ハッシュカット……。
月刊BOBで数回にわたって紹介してきた「韓国ヘア」の潮流。ここ数年の動きを見ていると、トレンドではもはやなく、定番としてテイストと世代が広がっている印象です。
これほど人気のがある「韓国風ヘア」なのに、技術研究はあまり進んでいない印象……。実際、「なんか違う!」「自分で再現できない!」というお客の声も多いと聞きます。せっかく大きな潮流となっているのに、もったいない!
というわけで、このブログではBOBがこれまで取材でトップ美容師さんたちから集めた、失敗しないための韓国ヘアのポイントを紹介! 今回は代表的な「ヨシンモリ」です!
失敗しないヨシンモリのポイント
ヨシンは「女神」、モリは「髪」という意味。ボリューム感があり小顔に見えるこのスタイルはバランスが命。
絶対間違いないヨシンモリをレクチャーしてくれたのは、東京・表参道のVioletで店長を務める浅沼雄元(あさぬまのりまさ)さん。タレント・女優さんたちからの信頼もあつく、「かじボディ」の加治ひとみさんの髪に憧れて来店する方も多いのだとか(かじさんヘアはたしかに女神っぽいし、超小顔!)。
スーパー売れっ子美容師としてたびたびBOB誌面にも登場する浅沼さんですが、なんと韓国ヘア押しでさらに新規が増えているとのこと!(新規の再来率も高く7割以上!)
それもそのはず、ヨシンモリのベースカットと巻きをかなり研究し尽くしているのです。
「韓国風ヘアの特徴はボリュームとメリハリ。この位置を顔型に合わせて設定してあげる必要があります」(浅沼さん)。
「一見重たいスタイルなので、セニングでなんとかしている人が多いけれど、それだと形がないから、カールをつくりにくいんです。日本人の髪質で再現しやすいヨシンモリのベースカットを研究しました」
ポイントはカットの際、どこにカドを残して、どこを削るか。アンダーセクションは外ハネさせるため、カドがあったほうがボリュームが出やすいという。
対して、顔周りとトップのセクションは外ハネに巻きやすい流れをつくるため、カドを取って下のセクションにつなげたほうがつながりがきれいになる。
ベースカットはこんな感じ。カド≒ボリュームを残しながら、髪が流れやすく、巻きやすいベースになりました。
ヨシンモリの巻きポイント
「根元の立ち上がりは必須。そこからつながるサイドに流れる前髪も切り方でちゃんときれいに流れます。このボリュームのメリハリによって、小顔に見えるのです」(浅沼さん)
下セクションの毛先を外ハネさせてからもう1回転して波ウエーブをつくります。
サイドも横に外ハネさせて流します。浅沼的ポイントは、耳あたりに厚みをつくるため、ここの内側の根元を巻くこと!
「あとは他のヨシンモリの巻き方とほとんど一緒です。ただ、巻くことを想定してベースカットをつくっているので、圧倒的に簡単に自分で巻けちゃいますよ」
ヨシンモリは小顔ヘアだった
「サイドにボリュームがあると、顔が対比効果で小さく見える。ただし顔型・目の位置などによって似合うバランスが変わるので、どこにボリュームポイントを置くかは見定めないといけません」(浅沼さん)
韓国ヘアはヨシンモリに限らず、顔を小さく見せることにかなりフィーチャーしたスタイルだと言える。それはアジア人がどうすれば美しく立体的に見えるか、考え抜かれたスタイルでもあるのだ。
これまで、日本人をはじめとするアジア人が憧れたのは「欧米人風」だった。その価値基準もかわりつつある。
「若い子たちは西洋的なものをそのまま真似しても似合わないって、賢いからわかってるんだと思うんです。欧米のトレンドをそのままじゃなく、着こなし力の高い韓流アーティストたちを経由してるんですよね。フェイスフレーミングカラーだって源流は欧米だけど、日本で流行ったのは韓国からだと思うので」(浅沼さん)
「アジア人に似合う」という意味でも、もっと技術研究が必要と思われる韓国ヘア。
月刊BOB8月号では、そんな韓国ヘアのいまを、技術的な視点で研究。ヨシンモリはもちろん、韓国風ウルフといわれるハッシュカット、アイロンで巻きやすくなるベースカット等、いま必須の韓国テクをどこよりもわかりやすく紹介。
上記の浅沼雄元さん(Violet)を始め、独自の審美眼で韓国スタイルをさらに洗練させたデザインを打ち出し、SHIMA全店売上ナンバーワンの超売れっ子となっている青木佑樹さん(SHIMA)や、日本にいながら本場の韓国ヘアになれると口コミで広がっているGNHEE(ゴニ)が登場。
7月1日発売の月刊BOB8月号に掲載。ぜひご覧ください!
- Profile
- 浅沼雄元/あさぬまのりまさ
Violet 表参道店 店長
1985年1月28日生まれ。岡山県出身。高津理容美容専門学校卒業。カット技術に定評があり、再来店率は群を抜く。Violetがいちはやく根元パーマにいち早く取り組み、韓国ヘアトレンドを取り入れる中、日本人にも似合う韓国ヘアのベースカットを研究。スタッフにもそのノウハウを落とし込んで若手スタイリストも次々韓国ヘアで集客している。現在、表参道店の店長。最高売上は852 万円!