美容師だから輝ける☆女性美容師✖副業のススメ!
増税、円安、少子高齢化…日本の未来の心配は年々増えていくばかり。
国を挙げて「副業推進」を掲げていますが、肉体労働の我々美容師にとって容易なものではないのでは…?
とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
いいえ、そんなことはございません。
「美容師だからこそ」職業を活かした副業があるんです!
今回は、美容師をしながら副業として他のお仕事でご活躍している、3名の女性美容師さんにインタビューさせていただきました。
副業内容は三種三様で、フォトグラファー、ハンドメイド作家、イラストレーターという、なんともスタイリッシュそうなお仕事!
しかも、なんと3名ともママさんなんです!
子育ても本業もある中で、
「なぜ美容師と他の仕事をしようと思ったのか?」
「どうやって他の仕事を始めたの?」
「美容師をしながら副業をするってどんな感じ?」
「副業をしてみてわかった、美容業界のアレコレ」
という、現在の働き方についてやこれから副業を考えている方へのアドバイスなどもさまざまな観点からお伺いしました。
そして、この記事のインタビューと執筆は、ママ美容師✖️WEBライターの盛(サカリ)です。
何を隠そう、筆者自身も副業ママ美容師。
“副業ママ美容師の裏話”も、併せて参考にしてみてくださいね!
それでは、インタビューさせていただいた3名のママ美容師さんを順にご紹介していきます!
- Contents
美容師✖フォトグラファー
山辺ゆかさんは、岡山県岡山市で美容院とフォトスタジオが一緒になったサロンを営んでいます。1階は美容院、2階で写真撮影を行っています。その日仕上げた髪型をそのまま撮影することも可能という、ありそうでなかった新しい美容院のカタチを展開。女性起業家さんのプロフィール写真や家族の記録など、さまざまな撮影の依頼なども幅広く承っていらっしゃいます。
美容師でありフォトグラファーでもある山辺さん。
美容師になったきっかけ、カメラとの出会い、二つの仕事を組み合わせることにした理由などについて聞いてみました。
始めは美容師として就職しましたが、当時の時代的なこともあり厳しい環境だったため、一度美容師から離れることに。
当時のサロンのブランディングの関係で、好きなものや人などに縛りがあって、自分がわからなくなったんです。それで、自己肯定感が低くなってしまって。
好きなものを思い出すために、小さい頃から好きだったカメラを仕事としてやってみようと、フォトスタジオに再就職しました。
カメラって基本的に嫌いなものってを撮らないじゃないですか。
カメラが私の“好き”を思い出させてくれました。
フォトスタジオでも働かれていたんですね!そこから、なぜまた美容師をしようと思ったんですか?
フォトスタジオって何かの記念に撮るからご来店されるので、美容院と違って定期的にお客様と会えないんですよね。
どうしてもその時限りの薄い関係性が寂しくて。
髪型を一から作ってあげられるのも美容師ならではなので、やっぱり美容師ってすごいなと。
確かに、美容師ほどお客様と深い関係性になれる職業も珍しいのかも。
しかも、写真撮られるのって緊張するじゃないですか。
髪を作るところから携わることで深い関係性になれるので、お客様もリラックスしてくださり魅力も引き出してあげられます。
“その人らしさ”を写してあげることで、写りが良い写真ができて、周りからも褒められたりしてお客様自身も自己肯定感が上がると思います。
写真を通じて人々を幸せにできることに気付き、両方の仕事を続けることを決意したという。
それはきっと山辺さんが過去に自分を否定されてしまった経験があったりとか、そこから自己肯定感が低くなってしまったっていうご経験があるからこそでしょうかね。
そういった方に寄り添えるような、カメラの使い方とか、美容師のあり方っていうのは、山辺さんだからできることなんじゃないかと思いました。
そうなんです!
大きいこと言っちゃいますけど、美容師が写真を撮ってあげることは、世界平和に繋がるんじゃないかなって。
1人1人みんなが自分のことを好きになって、憎しみや裏表がなく幸せな気持ちになったら周りにも優しくなれる。
それがどんどん循環していって、世界が平和になったらいいなと思います。
そうなったら素敵ですね!
今後フォトグラファーをやってみたい美容師さんへ、アドバイスをお願いします。
美容師さんこそカメラはぜひやってほしい!
写真を撮ることで、技術の未熟さも残るので必然的にカットやフィニッシュワークもうまくなります。というより、大事な写真で技術のミスは許されないので(笑)。
国家資格である美容師に比べると、趣味でやっていた写真は仕事にしていいのか悩んだこともありましたが、役に立つ人が沢山います。
カメラじゃなくても、もし美容師が嫌になりそうな時が来たら好きなことは心の支えになるし、掛け合わせることでオンリーワンの美容師にもなれますから!
山辺さんにとっての副業は、自分らしさを思い出し、それを通じてお客様にも幸せを循環させるためのオンリーワンの新しいカタチでした。
美容師×フォトグラファー【山辺ゆかさんの作品】
自分を好きになる時間を
ヘアから撮影まで山辺さんが担当
美容師✖ハンドメイド作家
- Profile
- はら えりか
美容室 LAND/ LAND accessory オーナー
《得意な美容技術》カット・ヘアアレンジ
《副業内容》美容室・SNS・セミナーでのハンドメイドアクセサリーの
販売
- Instagram : @land_haraerica
はらえりかさんは現在、三重県亀山市で自宅サロンで美容師をしており、ハンドメイド作品も作っていらっしゃいます。作品を作り始めたのは育休中で、時間的余裕があったことから知人に教えてもらったのがきっかけだったそう。
そんな趣味から販売に至るまで、そして今では有名美容師とのコラボ作品や即日販売の売れっ子ハンドメイド作家になるまでの経緯とともにお伺いしました。
そもそもハンドメイドをやろうと思ったのは?
元々アクセサリーは好きだったんですけど、自分の理想のカタチのものがなくて。
それで、ハンドメイドをやっている知り合いに作り方を教えてもらったら、めちゃくちゃハマってしまったんです。
ちょうど育休中で、息子が寝ている時に音を立てずに自分のペースで没頭できるっていうのも良かったんでしょうね。
初めて作った作品が可愛くできて、自己満足でSNSに載せたら『欲しい』と連絡があって。
こんな素人が作ったやつでいいのかと、戸惑って始めはタダであげたりしてました。
それから美容師に復帰してもアクセサリー作りを続けていたところ、当時の店長からお店で販売していいと提案されて、そこから販売を始めました。
当時から人を魅了するセンスが発揮されていたんですね!
美容師をしながら作品作りは大変ではないですか?
完全に自分の趣味の延長で作っているので、ハンドメイドの時間は癒しでしかなく、大変ではないです。
作りたいものを作ること自体が楽しい。ただ、販売数は需要に追いついていない状況なので沢山は作れないですが、それでもいいとおっしゃってくださるリピーターさんに感謝です。
今もお客様にも販売されているんですか?
はい、この髪型にはこんなピアスが似合うなとか、このヘアアレンジにはこういうヘアアクセがいいよというのをアドバイスさせていただきながら、よりお客様を可愛くできるのは美容師ならではだと思います。
それはすごい強みですよね !
他のヘアアレンジ特化の美容師さんと撮影で作品をコラボされたのも拝見させていただきましたが、とっても素敵でした!
以前からその美容師さんが作るヘアアレンジの世界観は大好きだったので、お話をいただいた時は嬉しかったですけど、その世界観に合わせられるかプレッシャーでしたね。
前に作りたいものを作るというスタンスから、売れるものや求められてるものを作るようになった時にスランプになった時があって。
でもその方の作品は自分の好きな世界観な訳だから、寄せたとしても自分好みで楽しく作れました。結果的に喜んでもらえて、私も震えるほど感動しました。
本当に世界観がマッチされていました。美容師同士で、こういったコラボも面白いなと。
アレンジで使いやすいヘアアクセの土台や素材も工夫させていただいきました。
こういうのは美容師だからできると喜んでいただき、他の美容師さんたちからもオーダーをいただきました。
これまで、赤字にならない程度の手に取りやすい値段しかつけられなかったんですけど、そこで初めて”価値があるものだから”と倍近くの価格で購入していただいたりして。
自分の作品の価値を認めていただいて嬉しかったですし、ハンドメイドを通じて知り合ったママ美容師のみんなでそういう活躍の場をもっと広げていきたいです。
趣味の延長で作っていたハンドメイドが、気づけば自己成長と共に生活の大切な一部になってるのが何より楽しいです。
息子さんが産まれた時に始めて、今日(インタビュー当日)たまたま息子さんの誕生日ということもあり、はらさんのハンドメイドストーリーにエモさを感じます…!
副業っていうか、それで稼ごうとは思ってなくて、美容師という仕事がベースにあり、そこから作品作りへの想いと共に成長していっての今なので。
もちろん子育てもあるので、ハンドメイドに熱中しすぎないようにバランスを取りながら楽しんでいきたいですね!
はらさんにとっての副業は、ハンドメイドを通じて、お子様とお客様と仲間と共に歩んだ人生。はらさんの生き方を含めた唯一無二の価値がそこにはありました。
美容師×ハンドメイド作家【はらえりかさんの作品】
理想を造る。世界で一つだけの宝物
美容師だから作れるヘアアクセ
アイリスト✖イラストレーター
- Profile
- 永山 未央
美容室echelle アイリスト
《得意な美容技術》まつ毛パーマ
《副業内容》イラストレーター(書籍の表紙・挿絵、似顔絵、LINEスタンプ等)
- Instagram : @mio_eyelash310
永山未央さんは神奈川県平塚のサロンでアイリストとして働いており、書籍の表紙や似顔絵なども描くイラストレーターでもあります。ゆるおもしろいイラストのタッチで、まつげに関するイラストを掲載したり、施術の説明をSNSで発信されています。
イラストレーターの仕事を始めたきっかけや、アイリストとの関連性、美容師のコミュニケーションツールとしてのイラストの有用性などについてお伺いしました。
所属しているサロンは業務委託サロンで、フリーランスのような形式で働いているので、副業はしやすい環境だと思います。
もともと絵を描くのが得意で、SNSの施術説明などに掲載していたら、スタッフのお客様が本をご出版されるのに挿絵を描く人を探していて紹介していただきました。
それがきっかけで、ご紹介などで仕事が広がっていきました。
私もライティングスクールで書籍を作る課題があったんですけど、電子書籍の表紙を依頼するイラストレーターさん探しに迷った経験があります。イラストレーターさんとの相性などもわからなかったですし。
そういう点では、お客様といえど近い環境でコミュニケーションを取れるのはいいですね!美容院っていろんなお客様がいらっしゃるので、別の仕事のご縁にも繋がりますね。
イラストはいつ書いているんですか?
子供もいるので夜の時間とか、予約の空き時間にしています。
空いた時間に副業ができるのはフリーランスのメリットですね。
私も同じ環境なのでわかります!
美容師だけだったら予約が入らなかったら収入が0ですけど、別の仕事をしている安心感もあります。
きっかけはただやってみたいっていう好奇心からだったんですけど、仕事となると納期などもあって両立は大変でした。毎日徹夜、みたいな。
でも不安とか恥ずかしい気持ちがあっても、やってみたいという気持ちがあるならやらないと勿体無いと思ってます。
趣味だったとしても、それが他の人にとっては価値のあるものとして求められているっていうのはありがたいですよね。
特に、まつ毛施術の説明をイラストにしてらっしゃるのはとても良いと思いました!
私はまつ毛に対しては無知なので、利用客としてまつ毛の説明を口頭で受けてもわからないことが多くて。
イラストで可視化できるとお客様もわかりやすいですね。集客にも繋がりそう。
どこで見られているか、どうご縁が繋がるかなんてわからないので。
できることや得意なことがあればどんどん発信したほうが良いですね!
女性の方は絵を描くのが得意な方が多い印象があるので、永山さんのような働き方は参考になる方が多そう!
ママ美容師さんはすごくバイタリティ高くて、アクティブな方すごく多いという感覚もありますし。
そこでもう一歩レベルアップしたいとか、ちょっと違う人生を歩んでみたいなっていう方で、他の仕事にも挑戦してみるっていうのはすごくいい経験になるかなと個人的にも思います。
急に転職というのも結構勇気がいりますし、美容師やアイリストっていうベースがある中で、スモールステップで始めていくのが良いかなと。
例えばアイリストで、まつ毛パーマをかけてちょっと気分が上がったりするじゃないですか。美容師さんもきっと、髪型が綺麗になったら気分が上がるような感じで。そうなるとちょっとポジティブになって自分のことが好きになれる。
イラストも一緒で、少しでも面白い内容書けば、笑えたりとか、悩みが軽くなったりとか。そうすることでみんなハッピーになれたらいいなっていう思いがあるんです。
なんか急にぶっ飛んだ話かもしれないんですけど…そんな少しの幸せを与え続けた最終目標が、世界平和になったらいいなと思ってます。今ストレスが大きい世の中なので、みんながちょっとでも気分良くなって、優しくなればもっといい世の中になるんではないかと常に考えています。
もしかしたら他の仕事をした方が、世界平和には繋がるかもしれないんですけど(笑)。
私にできることは、今これなので。
いやあ、先にインタビューをしたフォトグラファーの方もおっしゃったんです、世界平和って。すごいシンクロで、今鳥肌が立ちましたよ(笑)。
美容師以外の仕事をすると世界平和を願い始めるんだなあって思いました(笑)。
永山さんにとっての副業は、好きなことで幸せを与え、それが誰かの背中を押してあげる、幸せで温かい未来を描く仕事でした。
アイリスト×イラストレーター【永山さんの作品】
お客様から繋がったご縁
美容や子育てもイラスト化でわかりやすく
まとめ
副業と聞いてどんなイメージがありましたか?
冒頭でお話ししたように、私たち肉体労働をしている美容師が他の仕事をするなんて大変、そんなふうに感じていたのではないでしょうか?
今回の3名のお話しの共通点は「好きなことを誰かが喜んでくれるからやり続けていたら、結果的に仕事になっていた」ということ。
つい仕事や家庭のことばかりになってしまうと、好きなこともわからなくなってしまいますし、そんななか副業をするなんて余裕はなくなってしまいます。
まずはあなたの好きなことを思い出してみてください。
美容師という職業や場所を活かして、あなたの“好き”を掛け合わせてみてはいかがでしょうか?
それが誰かのためになるなら、発信して少しずつでも続けてみる。
少しずつでも続けてみれば、誰かに繋がり、仲間ができたり、大きな成果となります。
もしかしたら、それは世界平和にも繋がるのかもしれませんね。