MRデバイスで実現する遠隔教育が社員の負担を軽減

美容室のコンサルティング事業と自社直営サロンを運営する株式会社レボル(平井伸幸社長)は“マイクロソフト ホロレンズ2(Microsoft HoloLens2)”(以下、ホロレンズ)を活用し、本社から離れた直営美容室の美容師向けに遠隔で行う社内研修を開始した。

6月12日、レボルは主婦だけが働く直営美容室「マリーチェ」にてホロレンズを使用した研修を実施。これを経て全社にて研修が可能と判断し、7月1日に本格始動することを決定した。時間的、距離的制約がある社員の負担を軽減することや、人材育成の効率化を目的としている。

【「ホロレンズ」を使った技術講習の様子】

ホロレンズとは、マイクロソフト社によって開発されたMRデバイスで、頭部に装着することで現実と仮想の空間を重ね合わせたMR(複合現実)を体験できる。ホロレンズを使用した研修では、講師と受講生双方がお互いの手元を細かく見ることができ、動画視聴による指導よりもインタラクティブな直接指導を実現する。音声もホロレンズから聞こえてくるため、あたかも隣で指導を受けているかのような臨場感を味わいながら研修が行える。また、講師の手元が目の前にいるかの見え、講師も受講生のクセや動きをリアルタイムで確認できるため個人に合わせた指導が可能だ。

【遠隔研修:講師側の様子】

遠隔での研修により自社研修センター(埼玉県川口市)まで足を運ぶ必要がなくなるため、遠征講習や夜間の練習が難しい主婦の美容師、ブランクが長くて集合研修に不安がある新規スタッフも、移動時間や周りの目に気にすることなくスキルアップできる。

また、遠隔指導は講師側も場所の制約が軽減されるため、各店舗にいる熟練したスタッフからの直接指導が可能に。テーマに合わせた技術を学びたいスタッフと、その技術が得意なスタッフをつないでいる。遠方の美容師が講師として活躍する機会もでき、時間だけでなく人材の有効活用にも役立つ。

【遠隔研修:受講生側の様子】

一方で、パソコンでのオンライン研修とは設定や操作が異なることによる課題もある。慣れるまで時間がかかってしまい、現段階では社外向けに幅広く提供するためには改善点が多いようだ。

レボルは今後、こういった設定や事前説明の課題を解決することで、教育に行き詰まる日本の美容室へ新しい学びの場を提供していく。