パーマ剤の出荷額が2年連続で増加

日本パーマネントウェーブ液工業組合(通称JPWIA、田尾大介理事長)が6月15日、ハイアットリージェンシー東京(東京・新宿)にて第58回通常総会を開催した。

日本パーマネントウェーブ液工業組合は、中小企業団体の組織に関する法律に基づき、パーマ剤の製造販売業社、製造業社及びパーマ剤の原料会社を会員とする厚生労働省認可の全国団体。総会には本人出席・議決権行使・委任状を含めて54社が参加した。

冒頭挨拶に立った田尾大介氏は、「前年度からプラスに転じた出荷金額は今年も増加傾向を維持し、明るい兆しが見えてきた。本格的にコロナ禍を超えて、成長のタイミングに転じたことを実感している」とコメント。システアミン塩酸塩が医薬品の指定成分に指定された件については「今まで通り使えるかが懸念事項になっているが、問題が起こらないように活動を続けている」とのこと。

システアミン塩酸塩をめぐっては、令和4年10月に医薬品の一般的名称に定められたことが通知された。これによりシステアミアン塩酸塩を配合した医薬品が今後申請される可能性があり、承認された場合は化粧品への配合は不可となる。組合では業界における重要課題として専門委員会を組織し、既にポジティブリスト収載要請書を提出した。今後は独立行政法人 医薬品医療機器総合機構から照会があると考えられる。

また、組合が独自調査を行なっている化粧品カール剤を含めたパーマ剤の出荷金額・出荷数量が発表された。
調査結果によると、令和4年1月〜令和4年12月のパーマ剤全体における出荷金額は前年度比で約106%(出荷数量約103%)となり、2年連続の伸長となった。
カテゴリー別は以下の通り。

         出荷金額 /出荷数量
・チオ系パーマ剤:約104% / 約94%
・シス系パーマ剤:約92% / 約85%
・縮毛矯正剤  :約99% / 約94%
・化粧品カール剤:約110% / 約105%

医薬部外品のチオグリコール酸系パーマ剤、化粧品カール剤が昨年対比でプラスとなり、縮毛矯正剤はほぼ横ばい、システイン系パーマ剤のみ減少傾向となった。組合はWithコロナの動きが確実に進んだ状況において、新しいパーマメニューを試す人や、パーマスタイルにチャレンジしたりと、顧客の行動が活発化しつつあることを背景に挙げている。

前回開催時はコロナ禍で割愛されていた講演会・懇親会についても実施。総会後、同会場にて石原孝尚氏(Brilliant Future Consulting株式会社/代表取締役)が講師を務める講演会「ひとりひとりのモチベーションを高め合えるチームのあり方」が行われた。