「アクア」会長の綾小路竹千代氏お別れの会
9月19日に死去した東京・表参道のACQUA会長・綾小路竹千代氏(本名:長澤剛、享年60)のお別れの会が11月14日、ベルサール渋谷ガーデン(東京・渋谷)で行われた。下咽頭がんだった。
1962年、京都府生まれ。1989年、東京・原宿にOPERAを立ち上げ、その後、青山正幸氏、野沢道生氏らとともにACQUAを設立。97年には全国7カ所を巡るジャパンツアーを開催し、日本武道館でファイナルステージを飾る。99年からフジテレビ系列で放送された美容師対決番組「シザーズリーグ」に参加。1990年代から始まるカリスマ美容師ブームをけん引してきた。
OPERAを立ち上げた頃、京都・西陣生まれの彼らしく、オープン前のサロンに行くと「京都では毎朝、玄関の前に打ち水をするんですよ」と言って、サロンの入口に柄杓(ひしゃく)で水を撒いていた。サロン経営の第一歩を踏み出し「日本一の美容師になるんだ」と夢に向かって輝いていた姿が目に浮かぶ。
会で配布された挨拶状には「髪を通じて人を幸せにし、髪だけでなく心を切ることによって内面から素敵にすること。彼のこの遺志を継いで、お客さまの気持ちに寄り添える美容師を育てていきたい」という青山正幸氏(ACQUA代表取締役)のメッセージが記されていた。
なお、以下のQRコードは、下咽頭癌の手術で声帯を摘出する前に「声を形に残してほしい」と故人から依頼され、娘の長澤和音さんが撮影した映像。当初は手術後に美容師復帰する前提で制作していた。結末は変わったが、故人の美容師としてのこだわり、美容師の価値向上への努力、豊かな生活のために大切にしてきたことを1人でも多くの人に伝えてほしいと遺族は希望している。