デジサロ ITと美容の融合で未来価値を創出
一般社団法人デジタルサロン協会(以下、デジサロ)は6月26日、「2025年度 活動報告&政策発表会」をハリウッド美容学校で開催。会員や美容業界関係者ら約400名が来場した。
デジサロは美容業界と産学官が連携した最先端のテクノロジーを通して、美容師の資質向上やサロンの経営改善をサポートするために2023年に設立された。


冒頭に代表理事 Artificial Intelligence (AI)はデジタルサイネージを通して、デジサロのミッション「新しい髪形を思いつくよう、業界に新しい文化を描いてほしい」を掲げた。今年度の取り組みとして「美容師の未来をつくる4つの特典」――デジサロディプロマ、デジサロプライム(旅行、レジャー、飲食など140万件以上の優待サービス)、デジサロヒューマン(AIクローンが予約管理や口コミ返信をサポート)、デジサロLINEデスク――を挙げ、これらを通して難解に見えるテクノロジーを簡単にし、美容業界が日本の価値観を変えていく未来のビジョンを語った。

続いて登壇した森越道大事務局長は、今年度の活動について「『アンバサダー企画』をスタートし、IT業界だけなくさまざまな業界・企業と連携し意見交換をしながらテクノロジーをつくり出すことができた」と語った。6月にはデジサロ会員専用のアプリがリリースされ、会員向けサービスがさらに使いやすくなったという。

賛助会員企業を代表して登壇したMASS ホールディングス・増保利行社長。汎用的なデータではなく、美容師を含め専門性の高い人が学習データを扱う部分に、デジサロならではの新たな可能性を感じると語った。

続いて、事務局の内田 航氏が2024年度のイベント活動について報告した。昨年度は全国47都道府県でイベントやセミナーを実施。一部ではデジタルやAIの導入に消極的な姿勢も見られたという。「そのようなサロンにとって、デジサロは気軽な相談窓口でありたい」と語った。

2025年のイベント活動計画について語ったのは、事務局の山内大成氏。今年度は美容師が次のステージへと進める本質的な内容を提供するという。「イベントは単なる催し物ではなく、人と人、企業と現場をつなぐインフラ。その中心にデジサロがあり、ともに歩む存在でありたい」と語った。

また、今年度より特別顧問として就任した、SHOWROOM株式会社 前田裕二社長が登壇。美容師という職について、ライブ配信を運営する同社ならではの視点で語った。「デジタルという機能を活用して、感情を動かす顧客体験をさらに高めてほしい」という。

最後に登壇したのは、青年部統括リーダー・木村允人氏。デジサロのこれからについて、「良い文化は残しながら、必要な部分は適切にデジタルを導入できるようにしたい。企業との連携や意見交換を通して美容業界とIT業界の架け橋になると同時に、政府へ効果的に声を届ける仕組みづくりも進めていく」と語った。
発足からわずか2年で、賛同企業数174社、賛同美容師7577名と多くの支持を得ているデジサロ。ともすれば閉鎖的になりがちな美容業界だからこそ、他業界との連携を強める同協会の重要性は高い。デジタルを簡単に、そして適切に活用し、未来価値を創出する考えだ。