初の大阪開催「アジアビューティーエキスポ」に2万7000人

アジア最大級の美容イベント「第10回アジアビューティエキスポ(以下、ABEX)」がインテックス大阪にて、6月16日と17日で開催した。大阪・関西万博に合わせ初の大阪開催となり、総来場者数は約2万7000人に上った。

前回はパシフィコ横浜で開催し、約3万人が来場。今回は会場のキャパ・ヘアショー出演サロン数・ブース小間数など、全体的な規模は縮小したものの、目標としていた2万人を大きく上回る来場者数を記録した。

ABEXは世界中から大勢の美容関係者が揃う4年に1度の「美容の祭典」。1995年にパシフィコ横浜で第1回目を開催し、今年で30年目を迎える。今回、記念すべき節目に大阪・関西万博に合わせた関連イベントとして、初の大阪開催へ踏み切った。橋本健治実行委員長は「万博と一緒に開催できる機会なんて最初で最後。1年前倒しでもやる価値がある」と話す。

チケットは前売券・当日券の2種類を販売。前回までは入場券とは別でへアショー券を購入する必要があったが、今回1日分の入場券で同日のへアショーをすべて観覧できる。そのためヘアショー会場には多くの観覧客が押し寄せ熱気に溢れた。

へアショーは東京・大阪・仙台など日本各地と韓国・中国の国外からもアジアを代表する全35サロンが集結。また、6種類のステージに分かれており、新星サロンからレジェンドサロンまで多種多彩な顔ぶれが揃った。テーマは「OSAKA CALLING」とうたい、混迷する時代でスタイルに流されない明確な姿勢を表現した。

2日間のへアショーの大トリを飾ったのは川島文夫氏率いる「ピーク ア ブー(PEEK-A-BOO)」。美しいカットラインをステージ上で作りあげ、同イベントの締め括りに相応しい圧巻のショーで、会場は拍手に包まれた。

ABEXの魅力はへアショーだけにとどまらない。アジア最大級の展示会として、今年は国内外から約150社を超えるメーカーが集い、各社が力を入れたイベントや景品など約430小間を埋め尽くした。

開場してすぐに来場者が向かう先は、ブースごとで行われる美容師たちによるミニステージ。10時に開場し、目当てのステージまで待機する人も多く見られた。「オッジィオット(oggi otto)」では、へアショー出演者の「ゴールド(GOALD)」米田星慧氏が登壇し、来場者と製品について熱く語った。また、髪書房ブースでは6月3日発売された「ヴュー(VIEW)」による書籍「令和版 売れる美容師の教科書」の販促イベントとして、代表陣の一星氏と菊池佑太氏によるカットデモを行った。

一方、学生を中心に賑わいを見せたのは豪華景品や製品のサンプル配布を行ったブース。ガチャガチャやUFOキャッチャーなど遊び心あふれるブースで、SNSでの投稿を促し話題づくりを狙った。サロン向けナノバブルシステム「マーブ(marbb)」のブースでは、約80万円相当のマイクロバブル発生装着が開始30分で当選者をだし、「景気よくスタートを切りました」と笑顔をみせた。

また今回は、AIを活用した体験コンテンツも多く見られた。「デミ コスメティクス」は、新製品や売筋商品など6ブランドの製品について学習させ、来場者の問いかけに対し細かく製品情報を応えるAIを披露。髪書房ブースでは、韓国メーカーによる頭皮診断やパーソナルカラー診断を行った。

セミナーステージでは、業界の最前線で活躍する美容師・経営者が未来の美容業界や技術についてなど60分間の講演を行った。2日間で7名が登壇し、「シャウルデッサン(CHARLES DESSIN)」黒木利光氏は“失客ゼロを実現するサロンの黄金ルール”を熱く語った。

大阪開催を起点に、初めての試みも多くみられたABEX。国外からの来場者が多く、展示ブースでも「中国の方からの反応が良い」「購入までしてくれ、日本の技術に意欲的だった」など、アジア市場として日本の美容業界が注目されている様子がうかがえた。大阪・関西万博で盛り上がっていた”人の熱”と”美容の熱”が重なる2日間となった。