「AI TOKYO」がブランドを再編 レディースとメンズ、2つの専門サロンへ分化

ヘアサロンの「AI TOKYO(アイトーキョー)」が、レディース専用サロン「AI TOKYO hair(アイトーキョーヘアー)」と、メンズ専用サロン「AI TOKYO-MEN-(アイトーキョーメン)」を同時に立ち上げた。急成長を遂げてきたブランドがブランドを明確に二分し、顧客体験の最適化とサービスの深化を狙う。
メンズブランド「AI TOKYO-MEN-」は、サロン側のアーティスト志向が強すぎて顧客が近づきにくい現状に疑問を投げかける。「トレンドのど真ん中」を掲げ、最先端に振り切るのではなく、生活や価値観に自然に馴染む“ちょうどよさ”を軸にしたトレンド提案にシフトする。美容師のクリエイションだけでなく、リアルな日常にフィットする髪型を起点に、顧客との関係性を再構築する方針だ。
一方、レディースブランド「AI TOKYO hair」は、「スマートナチュラル」を打ち出す。画一的な“かわいさ”の価値観に縛られる女性像をアップデートし、洗練されたナチュラル感をベースに、賢さや余裕といった価値観で新しい女性像を提示する。メンズ出身のスタッフが多いブランドだからこそ、あらためて女性の居心地や共感を徹底的に追求する。
近年、性別でブランドを分けるヘアサロンは少なくないが、AI TOKYOのユニークな点は、「サービスの設計思想」から男女で分けた点にある。単にマーケットを分割するのではなく、顧客の心理的障壁や違和感に向き合い、価値提案の方法論自体を分岐させた点が再編の本質だ。