ホットペッパービューティーがAI生成画像を使用禁止へ 再現性と顧客信頼を重視

(右は生成AI画像)

美容業界最大手の集客プラットフォーム「ホットペッパービューティー(HOT PEPPER Beauty)」は、AIを利用して生成された画像・動画(以下「AI画像」)の掲載を明確に禁止すると発表した。今後、スタイル写真やメニュー紹介において、AI画像はガイドライン違反とみなされることになる。

この決定の背景にあるのは、ユーザーに提供されるサービスとの“ギャップ”への配慮だ。運営側は「AI画像は実際に提供できないスタイルや技術を連想させ、誤解を生む可能性がある」とし、ユーザー体験との整合性を重視したルール設計に踏み切った。

AIの技術は、美容業界でもクリエイティブや効率化の場面で急速に浸透している。サロン現場でもイメージ提案やSNSコンテンツ制作などに有効活用されてきた経緯がある。今回のルール変更は、そうした時代の流れに対する“否定”ではなく、「実際に受けられるサービスとしての信頼性」に焦点を当てた運用の見直しと言える。

特にスタイル写真については、従来から「スタイリスト本人が手がけたもの」に限定されており、今回の明文化によってAI画像もその対象に加わった。再現性を重んじるこのルールは、顧客の期待値とのギャップを生まないための一歩でもある。

“リアル”と“演出”の境界が曖昧になりつつある現代において、サロンと顧客の間にある「信頼」の輪郭をどう描くか。今回の判断は、業界全体が共通認識として持つべき新たなスタンダードを提案するものだろう。