歯と髪の医者でおしえあイズム

株式会社soeasy(飯尾慶介社長)は3月29日、「soeasy future session – おしえあイズムでつなぐ、歯科業界と美容業界 -」を渋谷ヒカリエ(東京・渋谷)にて開催した。なお、同イベントはZOOM配信によるライブ中継が行われ、ハイブリッド開催にて行われた。
同社は過去、歯科業界、美容業界のキーマンをゲストに招き、オンラインとオフラインのハイブリッドイベント、オンラインでのウェビナーイベントを開催してきた。今回はそれぞれのイベントで強烈な個性を発揮したゲストたちを改めて参集。歯科業界からは沼澤秀之氏(医療法人社団 博山会沼澤デンタルクリニック院長)と角祥太郎氏(株式会社clapping hands代表取締役)を、美容業界からは増田佳朗氏(株式会社PAUL 代表取締役)
と小河原正輝氏(EMU international GROUP 代表取締役)を迎え、歯科と美容の業界をこえて、課題やノウハウの共有をパネルディスカッション形式で行った。

「業界今昔物語からの『心理的安全性』」や「離職率低下(=定着率向上)の工夫」「組織力強化、さらなる成長のために、これからは何が必要か?」などをテーマに、歯の医者と髪の医者がそれぞれの見地からお互いの業界を“おしえあい”、未来に広がるヒントを語り合った。

トークセッションの様子。着席の左から沼澤秀之氏、角祥太郎氏、増田佳朗氏、小河原正輝氏

テーマの中では共通して「スタッフの心理的安定性をどう担保するか」がトピックとなった。「心理的安全性」とは、組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対しても安心して発言できる状態のこと。スタッフが働きやすい環境を用意した上で、働きがいをどのように醸成するかが、歯科と美容の両業界において共通の課題となっているようだ。
心理的安全性を築き、定着率向上をどう図るか、角氏は「中間管理職ではなく『中間いい感じ職』になる意識が大切。管理意識はtodoで事を進め、スタッフの色を消してしまいがち。“いい感じ”にスタッフの花を咲かせるイメージで、日頃のコミュニケーションをとること」と語った。個々のスタッフの色を見分け、伸ばす意識は美容業界のみならず歯科業界でも重要視されている。
増田氏は、「トップダウン型の教育ではなく、個人の夢をサポートする形でヒントを与え続ける。実際やるかどうかは本人次第だが、個人差を許容して“待つ“を徹底している」とコメント。
小河原氏も「『やらされている』とスタッフが感じた時点で心理的安全性が確保されていない。」と述べ、個々を生かす前に安全な場所を作る重要性を語った。
沼澤氏は「技術職である以上、個々のモチベーションはなかなか変えられない。セミナーや勉強会など、私たちはやる気が起きるきっかけを与え続けるしかない。待つスタイルであることは歯科業界も同じだ」とコメントした。

業界の垣根を超えた“おしえあい”が、両業界の発展を加速させている。