
山口県理容美容専門学校は、介護現場で活躍できる「訪問理美容師」の知識と技術を学べる動画講座を新たに開発した。高齢化が進むなか、ヘアサロンに通えない人にもヘアケアの選択肢を広げる取り組みとして、現役美容師や休眠美容師に向け新たな働き方を提案する。
同講座は、全日本福祉理美容協会の監修のもと開発された。修了後には「訪問理美容師」の認定資格が取得できる仕組みで、理容師・美容師免許に加え、訪問サービスに必要な配慮や専門的知識を体系的に学べる。車椅子利用者や寝たきりの高齢者など、通常の施術とは異なる場面での対応が求められる現場に即した内容だ。
訪問理美容サービスの対象は、高齢者だけでなく、病気やケガによって長期間外出が難しい人、育児や介護で外出が制限される家庭など多岐にわたる。こうした背景を受けて、理美容師が地域福祉と接続する新たな社会的役割として、「訪問理美容師」の存在が注目されている。
同校は「あらゆるライフステージの人々が、オシャレを楽しめる社会を支えたい」とし、美容師にとっての新たなキャリアパスの一つとして、訪問理美容という働き方の認知拡大を目指す。