
タカラベルモントは、同社の化粧品研究開発部による最新研究で「超硫黄分子」が毛髪内部のコルテックスおよびメデュラに分布することを発見したと発表した。特に、オルト様コルテックス領域や空隙の多い“ブラックメデュラ”に多く含まれることを突き止めた。
この成果は、昨年11月開催の「第2回日本化粧品技術者会 学術大会」、および今年2月の「第15回毛髪科学研究発表会」で発表され、前者ではポスター発表TOP3に選出されている。
柔軟性やくせに関わる可能性も
超硫黄分子とは、ジスルフィド結合やチオール基に複数の硫黄原子が連なった構造を持つ成分で、生体内では抗酸化や細胞保護などの機能が知られている。近年、毛髪内にも存在することが報告され、タカラベルモントではその分布と働きを調査してきた。
今回の研究では、以下のことが明らかとなった。
- 超硫黄分子はオルト様コルテックス領域に集中しており、毛髪のしなやかさや柔軟性、くせに関与する可能性がある。
- メデュラ内でも特にブラックメデュラに多く含まれることが確認され、構造形成に関与している可能性が示唆された。
- 毛髪の毛先に超硫黄分子を導入したところ、根元に近い状態に回復する傾向がみられた。
このことから、超硫黄分子は単なる外部補修成分ではなく、“毛髪が本来持つ“結合のひとつ”として、再構築や髪質改善につながる可能性を秘めている。
ダメージ抑制や強度向上の鍵となるか
超硫黄分子は、熱や紫外線、カラーなどの酸化ダメージにより減少するが、外部からの導入によって補うことができる。すでにキューティクル保護やダメージ抑制効果が確認されており、髪の強度向上にも寄与する可能性が高いという。
研究開発担当の河内佑己氏は、「毛髪科学の分野でも新しいアプローチとして注目されており、今後は化粧品への応用や美容現場での活用も視野に入れて研究を続けたい」とコメントしている。
今回の発見は、髪質改善・ダメージケアメニューにおいて、“新たな内部補修成分”としての超硫黄分子の活用につながるもの。タカラベルモントでは、超硫黄分子の研究を引き続き進めながら、将来的には施術用プロダクトやホームケア製品などへの展開も検討するとしており、現場の美容師にとっても注目の技術といえるだろう。