愛知中央美容専門学校の突然の閉校 背景には巨額融資詐欺事件
昨年5月末、新入生を迎えた直後に突然の閉校を発表した愛知中央美容専門学校。この騒動の背景に、親会社による巨額融資詐欺事件があったことが「週刊新潮」(2月13日号)の報道で明らかになった。
記事によると、同校を実質的に運営していた企業の元社長ら3名が、銀行から約1億9000万円を不正に融資させたとして、1月29日に愛知県警に詐欺容疑で逮捕された。容疑者らは粉飾決算を行い、会社の資産を20億円以上過大計上し、10以上の金融機関から総額数十億円の融資を引き出していた。
事件の首謀者とされる青木隆幸容疑者は、携帯電話販売業で成功を収めた後、ヘアサロン経営や専門学校運営に事業を拡大。しかし、経営の知識が乏しいまま美容業界に参入し、スタッフの大量離職や業績悪化を招いた。携帯電話市場の変化やコロナ禍の影響で資金繰りが悪化し、最終的に2023年8月には36億円超の負債を抱えて破産した。
昨年5月に同校は経営難により閉校。入学金や授業料のほぼ全額が返還されない状況に、多くの学生や保護者から怒りの声が上がっていた。閉校の告知が新入生の入学後、学費を徴収した後に行われたことで混乱が広がり、授業料返還や転校手続きに関するトラブルも続いている。
また、閉校後の救済措置として、他の美容専門学校が編入学の受け入れを発表し、説明会を開催。編入を希望する生徒向けに手続きを案内するなどの支援が行われた。
学校経営の破綻の裏で進行していた巨額詐欺の全容が、今後の捜査でさらに明らかになっていくとみられる。