日本人のモードは日本人の手で。NHDK2025ニューヘアモードは「Venom(毒)」

今年で創立69年を数える美容創作団体・美協 日本ヘアデザイン協会(以下、NHDK)は、2月18日に東京・新宿のハイアットリージェンシー東京にて「2025ニューヘアモード」を発表した。会場には中国からの来場者130名を含めて約800名が集まった。

イベントの冒頭、横田敏一理事長は「コロナ禍以来、5年ぶりにハイアットリージェンシーへ戻り懐かしい気持ちです。今年は中国から多数の来場者をお迎えした。何より、業界各社や関係各社の長年にわたるサポートのお陰で今日がある。そのご恩に改めて感謝申し上げたい」と挨拶した。

横田敏一理事長

今年のニューヘアモードは「Venom(ヴェノム)」。英語で毒を意味する。ファッションやヘアメイクにもちょっとした毒っ気を感じさせることで、心地よい違和感を伴う攻めの姿勢になるとのこと。ニューモードにはアートやストリートカルチャーを取り入れ、往年のパンクファッションとは異なる現代のパンクスタイルを提案する。

「Venom」のイメージ。ステージでは、ウエットな質感のヘヴィウエイトなグラボブに加えて、表面に軽さを感じるマッシュウルフの2スタイルを提案

創作設定委員長を務めた計良宏文氏によると「この背景には、ダイバーシティ(多様性)&インクルージョン(包括性)が標準装備となった現代において、多くの企業がヘアカラーの自由化を提言するなど、社会におけるヘアデザイン性は市民権を得ている。ファッショントレンドでは、ここ数年続いたさりげない贅沢を良しとした『クワイエットラグジュアリー』から脱却するべく、より攻撃的なモードに移行している。そこで『もっと自由に、力強く、今を楽しむ攻めの姿勢で時代を謳歌してほしい』との思いを込めた、とのこと。

プロジェクトメンバーによるニューヘアモード

また、ニューヘアモード発表の後は、例年同様「NHDK東京ショー」が行われた。
今年は中国から美容師が参加するなど、アップスタイル、カットスタイルなど登壇者の創作熱が花開いた。

中国・一佳造型チームの作品

ステージ終了後はパーティが行われた。横田理事長は「『日本人のモードは日本人の手で」を合言葉に設立されたNHDKは、来年に創立70周年の節目を迎える。2026年1月20日に周年式典を実施する。日本のヘアモードをけん引してきた団体として、1000人規模のイベントを企図している」と、同会の一層の発展と業界貢献を会員へ呼びかけた。