ミルボンの2024年通期決算は、売上高が前期比7.4%増の513億円、純利益が同25.4%増の50億円と増収増益だった。ヘアケア製品が前年比10.5%増の313億円と成長をけん引。「オージュア」「グローバルミルボン」が国内外で順調に推移した。韓国市場もヘアケアを中心に好調で、計画を上回る増収増益となった。
染毛剤部門は前年比1.5%増の172億円とわずかに成長、国内市場ではファッションカラーの伸び悩みが続くが、グレイカラーが堅調に推移。韓国でも一時厳しい状況だったものの持ち直し、売上が回復。中国市場は依然として厳しい環境が続き、米国市場は赤字が継続しているが、25年以降の売上拡大に向けた投資を継続する計画だ。
ECプラットフォーム「milbon:iD」は計画を上回る成長を見せ、売上拡大に寄与。スマートサロン戦略については、当初100軒を目標としていたが、件数の拡大ではなく成功したサロンの成長に注力する方針へシフト。23軒から62軒に拡大した。
また、カラーメニュー単価アップを叶えるヘアカラー「ヴィラロドラ」を中心に高付加価値提案が奏功し、髪・眉との連動施策も好調に推移。韓国では勢いのある若手サロンとのつながりを強化し、市場でのプレゼンスを向上させた。韓国でのシェア拡大は、アジア市場全体での優位性につながるとみられる。
2025年は付加価値向上とプライシング戦略を推進
ミルボンは2025年、国内の美容室における売上拡大を支援する取り組みを強化する。特にヘアケア商品の活用によるメニューの付加価値向上とプライシング戦略の推進に注力し、サロンの収益性向上を目指す。「スマートサロン」導入店舗では、知販購入率が向上しており、今後も成功事例の拡充を進める。
さらに、韓国市場での成功を生かし、アジア市場全体での存在感を高めるため、現地サロンとの連携を強化する。欧米市場では、新たなヘアケア製品の開発と導入を進め、特にロサンゼルスのスタイリストであるAnh Co Tran(アンコトラン)氏と共同開発した「Milbon & モノクロマティックシリーズ」の展開を拡大し、海外市場の成長基盤を固める方針だ。
ミルボンは2026年以降の長期目標として、売上高1,000億円と自己資本純利益率(ROE)14%以上の達成を新たに設定。引き続き国内外の市場成長を支える戦略を展開していく。