アッシュの新卒内定者数が過去最高を記録。採用戦略の転換と“K-POP”が奏功
アルテジェネシスのグループ会社であるアッシュは、2025年新卒内定者数が235名を超えたと発表した。2006年にアルテから子会社化されて以来、過去最高の記録となる。
同社は2021年以降のコロナ禍で新卒採用人数が200名を下回り、近年は150名以下に落ち込んでいた。この危機を打破するため、採用体制の見直しやK-POPアーティストとのコラボレーションによるキャリア支援など、新たな取り組みを進めた。その結果、美容学生の認知と関心が向上し今年の内定者数は179.4%増(前年比)と大幅な改善を見せた。また、2024年新入社員の半年以内の退職率も8.5%減少(前年同期比)するなど、定着率も向上している。
採用難への対応としてK-POPスポンサードを導入
アルテグループでは、K-POPアーティストが多数所属する「(EVA .ENTERTAINMENT(エヴァ・エンターテインメント)」を2023年11月から支援開始。Ashの美容師が17回にわたるイベントや撮影会でヘアメイクを担当し、延べ216名のスタッフが従来のサロンワークを超えたクリエイティブな経験を積んだ。この取り組みは、美容学生が高い関心を寄せるK-POPとの連携を採用戦略に活用し、興味を引きつける新たなアプローチとして成功を収めた。
採用体制の改革とデジタル化への対応
Ashでは2023年から新卒採用の体制を本部一括から店舗主導に転換。SNSを活用した個別店舗の発信強化や、店舗採用アカウントの運用を通じて、美容学生が直接店舗の魅力に触れられる仕組みを整えた。また、プレスリリースの本数を増やすなど情報発信を強化し、Z世代の興味関心に応える戦略が奏功した。
美容室業界では美容師人口が減少傾向にあり、採用競争が激化している。その中で、Ashはキャリア形成支援や情報発信の充実を通じて「働きたい」と思われる環境作りを目指し、採用市場での競争力を高めている。Ashは今後も美容師不足の課題解決に向け、採用体制の強化と柔軟なキャリア支援を進めていく方針だ。