美容師が担う未来の役割、シンポジウムで議論

美容の価値を考える会は12月10日、2024年度第2回シンポジウムを都内で開催した。会場は事前申し込み制のリアル参加とオンライン配信のハイブリッド形式で行われた。

Tomoshi Bito表廣瀬智之代表

最初に登壇したのは、Tomoshi Bitoの廣瀬智之代表。動画メディア「RICE MEDIA」を運営し、 “1分間で世界を知る”をテーマにショート動画を通じて社会課題を発信している。2021年に立ち上げたYouTubeチャンネルは、開始から1年で登録者数20万人を突破。廣瀬代表は美容師の自己ブランディングにおける動画活用について、「全てを伝えようとするのは逆効果。短く、物足りないと感じさせる内容がPR効果を高める」と提言。さらに、「自分が伝えたいことを、相手が知りたいことに変換することが大事」と述べた。

写真左:医学博士 高橋七瀬さん、右:日本美容創生(株)代表:金山宇伴さん

次に「美容業界が期待される社会的役割と可能性」をテーマに、日本美容創生の金山宇伴代表との高橋七瀬医学博士が登壇。「ヘアサロンは町の保健室」として機能する重要性について語った。司会を務めたのは大阪の美容ディーラー、リーディアルの橋本健治代表。美容師が顧客に向き合う総時間が医師の診察時間を上回る現状を指摘し、「美容師が異変に気付けるよう、知識と技術を取得するライセンス制度を推進している」と説明した。

また体調不良で一時休業した著名女性美容師が録画出演し、復帰後に医療と美容を繋げる「Beauty Venue」制度を取得したことで顧客との信頼関係がさらに深まったと語った。美容師の新たな役割が浮き彫りとなる講演内容に、会場は大きな拍手で応えた。