「トク」石垣島発、カラー剤キャップを再生したアップサイクルブランド
ファッションやヘアアレンジが多様化する現代において、サロンで増え続けるカラーリング剤のプラスチックキャップ問題は深刻だ。沖縄県・石垣島のヘアサロン「U+ ラブハーツアンドビー(luve heart’s And Be)」が立ち上げたアップサイクルブランド「トク(TOKU)」が、その解決策を提示している。同ブランドは、プラスチックキャップを再利用し、持続可能な未来へ向けたメッセージを発信することを目指している。
「トク」は、全国のヘアサロンから回収したカラーリング剤のプラスチックキャップをリサイクルし、新たなプロダクトとして再生する。キャップは回収後、色別に分別され、細かく砕かれたあとオリジナル金型で圧入される。このプロセスにより、一つひとつがハンドメイドで製作され、唯一無二のマーブル柄のアップサイクルヘアコームが誕生する。今年6月に発売されたヘアコームは、浦﨑の美容師経験を活かし、手触りの良さ、使いやすいデザイン、インテリアに馴染むビジュアルを兼ね備えた。
さらにNPO法人「縄文企画」との協業により、海洋プラスチック問題にも取り組んでいる。カラーリング剤のキャップに「縄文企画」から回収したオーシャンプラスチックを融合させた新たなヘアコームが登場。今後、アップサイクル体験を通じて消費社会を考えるワークショップも予定されている。
同プロダクトは、全国の提携ヘアサロンで販売され、今後リゾートホテルなどでも展開予定。環境問題に対する意識を高める「アースコンシャスアクト」として、ノベルティとしての需要も高まっている。サステナブルな未来を見据えた取り組みが、多くの人々に影響を与えることが期待される。
4月に設立された「トク」は、環境保護の意識が高まる中、石垣島の自然とサロン業界の視点から生まれた。代表の浦﨑は、カラーリング剤のプラスチックキャップが無駄に廃棄される現状に危機感を抱き、アップサイクルを通じてポジティブな変化を促進しようと決意した。ブランドのコンセプト「未来をRe•thinkする」は、サステナブルな行動を促進し、環境意識を高めることを目的としている。