マッシュHD、サロン卸事業に参入 米国ヘアケア「インナーセンス」を武器に

米国の人気ヘアケアブランド「インナーセンス(INNERSENSE)」が、マッシュホールディングス(HD)によって日本に初上陸する。日本国内では同社のセレクトショップ「コスメキッチン(COSME KITCHEN)」での取り扱いに加え、初のサロン向け卸事業を通じてさらに拡大を図る。さらにマッシュHDの新会社であるインナーセンスアジアを設立し、アジア市場への展開も視野に入れる。9月12日にNEWoMan新宿店での先行販売をスタートし、その後全国での販売予定だ。

ラインアップは一般販売が全13種類、サロン専売品を含めると全21種類のインバス・アウトバス製品を揃える。アジア人にも相性のいいシグニチャーアイテムの「ハイドレイティングクリームヘアバス」(295mL、4180円)は、シアバターやタマヌオイル、アボカドオイルなどの天然成分を使い、髪と頭皮を優しく洗い上げるシャンプーだ。また、「スイートスピリットリープインコンディショナー」は、アロエベラ、ローズマリーオイル、ハチミツなどの植物由来成分を配合した、クリームタイプの洗い流さないトリートメントとなっている。

インナーセンスは、ヘアスタイリストのグレッグ・スタークマンとジョアン・スタークマン夫妻が2005年に設立した。夫妻は遺伝的な障害を持つ娘が誕生したことを契機に、ヘアケア製品が人体に与える影響を再考し、3000にも及ぶ「使用しない成分リスト」を独自に設け有害な成分を徹底的に排除した。クリーンビューティーブランドとしての姿勢を貫き、Bコープ認証を取得しカーボンニュートラルや動物実験フリーの活動にも積極的だ。すでに欧米ではインナーセンスの人気は広く認知されており、約4600のヘアサロンやセレクトショップなどで取り扱われている。インナーセンスアジアの中谷昌弘社長は、「地球環境に対する真摯な姿勢と、サロンクオリティーの両立が決め手だった」とコメントしている。

3日に開かれた発表会では、スタークマン夫妻が来日し「日本のプロのスタイリストから学ぶべき点は多い」と日本のスタイリストの技術力の高さに感銘を受けていると述べた。また、急速な成長を求めるのではなく、長期的な視野でのブランド成長を目指すスタンスが、マッシュHDとの良好なパートナーシップを築く要因となったと考えている。ブランドの旗艦店を設け、将来的にはアジア市場への展開も計画している。

なお、サロン専売品に至っては、ビューティースキャンダル(BEAUTY SCANDAL)のECサイトと、ヘアサロン・美容師発注用システム「ビューティースキャンダル プロ」のプラットフォームを利用する。これにより顧客のニーズと美容師からの提案をつなぐ、体験型の店販を打ち出す。