ビューティの世界チャンピオン

副社長兼プロフェッショナルプロダクツ事業本部長の齋藤匡司氏

日本ロレアル株式会社(ジャン-ピエール・シャリトン社長)は3月7日、全国の取引先代理店を新宿パークタワー3階にあるパークタワーホール(東京・新宿)に招聘し「オールエージェントミーティング2023」を開催した(同時にオンラインでの視聴参加も併催)。

3年振りの集合会議となった会場には全国の代理店から約90名が参加。冒頭でシャリトン社長が録画で謝辞を述べた後、副社長兼プロフェッショナルプロダクツ事業本部長の齋藤匡司氏が22年度の業績結果を報告。

「化粧品の世界市場が+6%だったのに対しロレアル全体では約1.8倍の+10.9%。時価に換算して29兆円と文字通り『ビューティの世界ナンバーワン』たる結果を残せた。またプロフェッショナル事業部門は+10.1%の6千5百億円、中でもロレアルプロフェッショナルとケラスターゼで1千5百億円と“ビリオネア・ブランド”の称号を獲得することができた。日本市場が所属する北アジアブランチは+24%と他地域よりも抜きん出た進捗となった」と述べた。

多くの企業がローコストストラテジー(低価格戦略)に転換するなか同社は「プレミアム(高付加価値)戦略」で市場に挑み続けており、23年度は対22年比で+3.7%成長見込み。プロフェッショナル製品レギュラー売上高の成長率は+8.4%とウィズコロナ市場において継続的にプラス成長、イノアカラーは平均単価が8,400円と22年比から+2,500円アップと他社の人気ヘアカラーを凌ぎ、ケラスターゼの新規窓口軒数は過去最高の増加と好調。

[23年度の活動 4つの指針]

1.プレミアム製品サービスへの集中投資
消費者の「物価上昇対策」に美容消費は含まれておらず、逆に高価格商品・メニューへの出費額は上がっている。“良い商品やサービスにはもっと払っても良い”と顧客が感じている「支払意思額」に、ケラスターゼを筆頭にiNOAの提案で訴える。

2.オムニチャネル戦略の推進
オンラインとオフラインの併活。一例として楽天beautyからの予約獲得フロー(楽天ECサイトでの告知→顧客がサロンを選択→サロンの予約サイトへ)、近隣のケラスターゼサロンへ案内、すべての楽天ユーザーとケラスターゼサロンページ来訪者へのクーポン付与など。

3.企業としての社会的責任活動の推進

・国連グローバルコンパクト=環境/労働条件/人権腐敗防止に関する模範的な取り組みに対して国連から表彰

・CDP(CLIMATE FORESTS WATER)=世界で唯一7年連続AAAにランク

・WORLD MOST ETICAL COMPANIES=世界で最も倫理的な企業として13回認定

・Ecovadis社=サスティナビリティ評価の対象企業で上位1%のプラチナメダル獲得

・Universum (ユニバーサム)社グローバルランキング= 経営学を専攻する学生が就職先として最も魅力的な企業を選ぶ世界ランキングで5位獲得(欧州企業で1位)

4.付加価値を生むクロスオーガナイゼーション
旧来の単一ブランド担当制から「マルチブランド担当制」へ移行(プロフェッショナル および ケラスターゼ)

プレミアムヘアケアのケラスターゼを筆頭に、3月23日に2ライン4色を発売するiNOAの新色「モカ」と昨年発売した新ブリーチ剤「マルチテクニックス」を活用したヘアカラー提案の更なる展開、1月に発売したヘアメンテナンス機能のMetal DXで、「サロンビジネスの成長に最も貢献し、最も愛されるブランド創り」を目指す。

日本ロレアル株式会社