学校法人国際文化学園(平野徹理事長) 国際文化理容美容専門学校渋谷校/国分寺校(荘司礼子校長)は3月7日、「2023国際文化学園 卒業記念発表会」を東京・渋谷のLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で開催した。
卒業ステージは今年も渋谷校ステージ・国分寺校ステージの二部制で行われ、卒業生の保護者や在校生、関係者など各ステージそれぞれ約700名の来場者が訪れた。
国分寺校ステージ
国分寺校の全体テーマは「共鳴」。
デッサンステージ「七面玲瓏」
荘司礼子校長の挨拶に続くファーストステージはデッサンステージからスタート。7名のデッサン技術者がそれぞれの線を描く「七面玲瓏(しちめんれいろう)」のデッサンステージは、国分寺校発表会の各ステージをイメージしたデッサン画を披露。これから始まるステージへの期待値を大いに高めた。
ヘアショーとメイクアップのコラボレーション「grazia」
続くステージは「モード×妖艶」の異なる2つのテーマを融合させたヘアショーとメイクアップのコラボレートステージ。「grazia(グラツィア)」のテーマでダークでミステリアスなステージを繰り広げた。
バーバースタイルステージ「威風凛然」
続いてソフィスティケートな9名のメンズモデルが颯爽と登場。「威風凛然(いふうりんぜん)」をテーマにしたバーバースタイルステージでは、スーツに似合うバーバースタイルをスピード感あるカットテクニックで魅せ、凛々しく堂々としたメンズスタイルが完成した。
カットスタイリングステージ「synesthesia」
続くカットスタイリングステージ「synesthesia(シナスタジア)」は、12名の技術者がそれぞれの色と個性を表現した共感覚ステージ。ビビッドなヘアカラーや差し色を効かせたカラフルな衣装でステージはいっきに華やかな雰囲気に。各技術者が担当した色や花がステージいっぱいに咲いた。
アップスタイリングステージ「Sence of wonder」
あるものに触れることで受ける不思議な感覚や感動を「Sence of wonder(センスオブワンダー)」という。アップスタイリングステージでは、「近未来」のステージイメージに乗せて観客に「Sence of wonder」を届けた。
着付けステージ「純蘭」
着付けステージは「純蘭」のテーマで内に秘めた美しさから放たれる輝きを表現。スピードと洗練された作法を身に着けた技術者たちによる本振袖の花嫁ステージは見る人を引き付けた。
パフォーマンスステージ「おかわりおやさい ~みのる君とど根性野菜のビリッケツ!!?~」
ラストは特殊メイクの課外授業受講生による3Dメイク、2Dメイク、ボディペインティングでモデルを大変身させたパフォーマンスステージ。キュートな野菜たちによる、ヘンテコなカラフルストーリーが繰り広げられた。
全ステージともモデルはすべて国際文化の学生たち。衣装やモデルウォーキングも学生たちがアイデアを出し合い工夫してきた。コロナ禍の2年間の学生生活、思うように授業に参加できない日もあった世代だからこそ、2年間国分寺校136期生を支えてくれた学校や先生、保護者への感謝がステージを通じて届けられた。
渋谷校ステージ
渋谷校全体のテーマは「IDENTITY」。
デッサンステージ「Literalism(リテラリズム)」
国分寺校と同じく、オープニングを飾ったのはデッサンステージ。リテラリズムは平面から作品を起こす文字起こしの意で、これから始まる「カットスタイリング」「メイク&ヘアショー」「ヘアショー」「ブライダル(着付け&アップスタイル)」の4ステージ5スタイルを5名の技術者が描く。迷いのない1本1本の線で輪郭を描き、その強弱によって水彩の色味を際立たせた、迫力のある作品が並んだ。
カットスタイリングステージ「if ~この時代に生まれたなら~」
冒頭の大火の演出が昨今の紛争を彷彿とさせる、メッセージ性を織り込んだカットステージ。ミリタリーテイストでまとめたレイヤードスタイルの衣装に映える、大胆なカラーと力強いフォルムのヘアスタイルが観客の目を引く。ステージ後半にはモデルが衣装を脱ぎ捨て、その下からは平和を象徴するホワイトカラーが現れた。部分的に残ったカーキやベージュが差し色となり、アースカラーなスタイリングに変貌を遂げ会場を沸かせた。
ヘアショーとメイクアップのコラボレートステージ「lumiére voilée(ルミエール ヴォアレ」
色それぞれの持つ意味を、多種多様な価値観のある現代と重ねることで、一人ひとりから発するエネルギー、オーラを表現したステージ。真っ白のフリルに身を包んだモデルにシャドーやチークを使い表情に彩りを重ねていく。その後、フリルの下からは同系色のカラーリングでまとめた色鮮やかなドレスが現れ、モデルに合わせたヘアスタイルとメイクアップで、色のもつイメージを個性的に表現した。
ヘアショーステージ「Ethnicity(エスニシティ)」
「エスニック」と発表会メインテーマ「アイデンティティ」を掛け合わせた造語エスニシティ。装飾を施した編み込みやアップスタイルに民族調の衣装を纏ったモデルが登場し、ひとつの塊を表現すると同時に何物にも囚われない個々の魅力を表現する。途中、鮮やかなフリルに異なる柄のテキスタイルをミックスした、絢爛な衣装のモデルも加わり、それぞれのモチーフの中で輝く個性は圧巻だった。
ブライダルステージ/きものとドレスのコラボレーション「colore(コロレ)」
ドレスステージではこれまでの派手な演出は控えめに、しっとりとアップスタイリングを披露。ダイナミックなステージが続いた反動で、観客の注目が技術者の手元に注がれる中、学生たちは俊敏な手さばきであっという間にスタイリングを完成させた。続くきものステージでは優艶なムードでモデルが登場し、アップテンポな音楽が会場を鼓舞。リズムに合わせて立ち位置を変えながら着付けを行い、まるでダンスのような一体感を見せる所作を披露した。
パフォーマンスステージ「おかわりおやさい ~みのる君とど根性野菜のビリッケツ!!?~」
課外授業「特殊メイク」受講生が3Dメイク、2D、メイク、ボディペインティングなどの技術を駆使して同じ学生のモデルを変身させ、歌って踊るパフォーマンスステージだ。ダンス経験者が多いのか、クオリティの高さが際立った。モチーフとなる野菜ごとにイメージに合わせた特殊メイクも行い、劇中におけるキャラクター性を引き立てた。
全体を通して、学生ならではの自由な発想でモチーフに忠実なヘアと衣装スタイリング、ストーリー性のあるステージ構成、ダンスパフォーマンスといった、エンターテインメント性を重視した演出が多く見られた。一方で、「技術の披露」「ビフォーアフターの変化で魅せる」といったヘアショーの基本的な要素を追求する姿勢は崩さず、学生生活を通して学んだ技術を存分に発揮したている。
アフターコロナへ向け、個々の学生が持つエネルギーが外へ向かって発信されていく、観る者を前向きな気持ちにさせるヘアショーとなった。