資生堂プロ新開発パーマシステム
資生堂プロフェッショナル株式会社(朝妻久恵 日本事業代表)は3月1日、熱ダメージを抑制し、ケミカルダメージを補修する新開発のパーマ技術を搭載した「デュアルパフォーマンスシステム」を発表した。
「デュアルパフォーマンスシステム」は、パーマ施術による熱ダメージを抑制する「コルテックス保護テクノロジー」、ケミカルダメージを補修する「CMC 補修テクノロジー」の2つのテクノロジーを搭載した技術だ。これにより、毛髪の強度や質感の低下を防ぐだけでなく、理想のパーマの形状を美しく思い通りに表現できる。今後は、この2つのテクノロジーをパーマ剤などに活用し、つややかさとしなやかさを兼ね備えた美しいヘアスタイルへと導く。
【技術詳細】スキンケアの発想をホットパーマに転換
<コルテックス保護テクノロジー>
パーマに伴う熱処理は、毛髪の約9割を占める組織「コルテックス」のケラチンタンパクを、元に戻せない形へと変化させる。これは、タンパク質を塊にする「熱凝集」と、パーマに最も重要なSS結合が「ランチオニン結合」になる2つの変性によるもの。毛髪の強度低下や硬化を引き起こし、パーマがかかりにくくなる状態へ変えてしまう(図1)。
こうした2つの変性に対するアプローチとして、コラーゲン構造安定化機能を持つ「ヒドロキシプロリン」に着目。タンパク質同士を反発させ凝集を防ぐうえ、過剰な熱伝導を抑えランチオニン結合の生成を抑制できることを確認した。これにより、熱処理後も毛髪の強度やしなやかさを維持しながら、パーマがきちんとかかる状態を保てるようになる(図2、3)。
<CMC補修テクノロジー>
コルテックス細胞どうしを接着する「CMC」の構造は、パーマ剤のケミカルダメージによって弱体化し、コルテックスの構造を不安定にする。これにより、髪の強度や質感が低下し、しっかりパーマを形成できなくなるという影響をもたらす(図4)。
そこで着目したのが、スキンケア領域で保湿そこで着目したのが、スキンケア領域で保湿剤・保護剤として用いられる「リピジュアⓇ」。リピジュアⓇはCMCのβ(ベータ)層のリン脂質と似た構造をしているため、CMC補修を即座に実行できる。パーマプロセスの中だけでコルテックス構造へのダメージを抑え、毛髪の強度や質感を守りながら、しっかりとパーマがかかる状態へ導くことが期待できる(図5、6)。
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