Ashantiが創造するカルチャー

業務委託型の美容室チェーンを展開する株式会社Ashanti(北村嘉崇社長)は2月14日、FASTA青山(東京・表参道)にて2023年度の会社方針発表会「Leaders Meeting」を開催した。

同社は21年の10月にブルパス・キャピタルがサービスを展開するファンドからの出資を受け、取締役に北村嘉崇氏を迎えた。新体制の初年度となる2022年は順調に店舗数を伸ばし、売り上げは昨年比12%増の19億円を記録。2023年はサロンプラットフォーム構想、ローカル・グローバル展開を推し進め現存の67店舗から100店舗展開を目指す。

2023年のビジョンには「beyond your…」を定め、「顧客の需要や美容師の在り方の変化をいち早く捉え 関わる人々の努力が報われ 笑顔あふれるカルチャーを想像する」というミッションと、「成長と資産づくりの後押しによる経済的・時間的自由の実現」「コーチング文化を通して信頼・教育・共感・感謝を重視した企業文化の創造」「Ashantiに関わる全ての人の人生を彩る舞台=店創りにチャレンジし続ける」の3つのプロミスを掲げた。

昨年の振り返りと今年度のビジョンを発表する店舗管理部部長の坂井孝輔氏。

「成長と資産作りの後押しによる経済的・時間的自由の実現」については、代表の北村氏による「2023経営勉強会」や「資産形成と金融知識勉強会」を通して美容師としての人生設計を支援し、ECサイトの運用による売上増、資産形成コンサルや確定申告代行など、本部機能の拡充を行いストレスフリーな労働環境を構築する。また、「Ashanti EC」の運用を開始し、低コスト運用の実現で顧客と従業員への高還元を見込む。「SALANI(サラニー)」、「soeff professional(ソフプロフェッショナル)」の2つの独占取り扱いブランドに加え、有名ブランドをはじめとした豊富なSKU数で他社を圧倒する考え。

「コーチング文化を通して信頼・教育・共感・感謝を重視した企業文化の創造」では、4月には新卒アシスタントと中途アシスタントが働きながら学べる美容師育成学校「アシャンティ アカデミー」を池袋と船橋に開講する。「教育」から「共育」を目指し、教えて育てる文化ではなく、共に育つ文化を推進しワークエンゲージメントを高める狙いだ。社内講習によるスキルアップで単価アップと再来率アップ、報酬がアップする構造をつくる。

代表取締役の北村嘉崇氏。経営勉強会では、フレームワークを通した論理的思考の獲得による経営者育成を目的としている。

「Ashantiに関わる全ての人の人生を彩る舞台=店創りにチャレンジし続ける」については、Ashanti流のPR戦略と「Marketing2.0」で強い店舗づくりをバックアップする。PR戦略では、プレスリリースの発信、協業によるSNSへの注力、美容専門学校へのアプローチや他業種、他業界へのPR、社内での活動内容周知で露出を増やし、認知度向上を図る。Maketing2.0では、①投資対効果の高いマーケティングとそのビジネスモデルの確立。②売上生産性の向上→利益率を高めることで再投資、還元の仕組みを創るの2つのテーマを「客数細分化」「リピート」「利益創出、増資、還元」「単価」と構成要素を分け、そこからさらに実施項目を細分化する。こうした1つ1つのアクションを通じて全体にプラスのサイクルを引き起こし、社内保険の適用や店舗修繕といった就業環境の改善につなげる。

また、この日スペシャルゲストとしてヘアメイクアーティストを養成するプロジェクトスクールを運営する株式会社a-pro.の代表ASUKA氏が登壇しAshantiとの協働を発表。a-pro.のもつ撮影やヘアメイクのノウハウを通してAshantiがビジュアル面でサロンとしてのメッセージを発信し、ゆくゆくはクリエイティブチームの結成や新たなキャリアプランの創出を目指す。