美容週間 「体験型」の教育・SDGsに注力
NPO法人美容週間振興協議会(瀧川裕史理事長)の全国美容週間実行委員会(枝村 仁2024年度実行委員長)は3月14日、ミルボン神宮前メインスタジオ(東京・渋谷区)で「3月度全国定例会議」を開催。オンラインでも同時開催された。
本日は前回の会議に引き続き、組織委員会や各地区ごと活動報告を行った。
冒頭、瀧川裕史理事長は「今後も全国に美容週間が広がるよう努めていきたい」と挨拶。
本年度新実行委員長である枝村 仁氏は、「新しいことを取り入れていきたい。2024年も気が付けば3月。皆さんの知恵や情報の力も借りつつ、さまざまなことを行なっていきたい」と、新たな取り組みに果敢に挑む姿勢を見せた。
各部門別 活動報告
体験を通して共感を生むことに視点を置いた活動報告が目立った。児童養護施設や視覚に障害のある方、これからを担う若者に大きく視野を広げて、より柔軟な活動を目指す。
◾️イベント・コンテスト委員会(河元雄太委員長・西村美帆委員長)
・イベントは変わらず積極的に続けていく。
・インスタグラムを通して行うコンテストタイプのイベントを模索、検討中。
・新たに美容学生向けのコンテストとして「美容週間コンテスト」を開催予定。動画などを活用したライブ感のある新しいコンテンツのコンテストを提案する。
◾️SDGs委員会(石田吉信委員長)
・5月19日に児童養護施設での職業体験イベント「SPROUT(スプラウト)」を開催予定。美容師という職を知ってもらうため、枝村氏のカットライブやウイッグカット・シャンプー体験を行う。
・視覚障害を持つ方に向けた、来店時から心地の良い接客を促進させる動画の制作に尽力。
・本年は人権問題を中心に進めていく意向。引き続き、児童養護施設や視覚障害を持つ方向けの活動に力を入れていく。
・SDGsの専門家であるステークホルダーを呼んだイベントの開催を計画。多くの知識や意見の吸収が可能なクロストークなどを中心に企画。
◾️教育委員会(小山敦宏委員長)
・視覚障害を持つ方への配慮をまとめ、マニュアル化を目指す。
・どのようなバックボーンを持った人でも、美容を楽しめるような美容室のあり方を教育していく。
地区委員会報告
本年より枝村氏が委員長に就任したことが影響し、ほとんどの地区がカット技術の向上やノウハウを共有できるイベントや懇親会を開催。美容師同士の情報交換や意見の交換が重要視されている。
また、福岡地区の伊藤孝司委員長は、イベント開催など情報拡散に対する意識の現状について発言。
「開催概要を拡散するだけではなく、背景や想いを共有することで興味関心が得られる。告知という概念ではなく、知ってもらうという意味を持って活動したい」と、情報拡散に対する意識を引き締めた。
美容関連の取り組みに対し、情報拡散など「知る」だけでは行動に移す人が少なくなっている傾向にある近年。
美容週間はこの状況を緩和するために、特に児童や学生の若者に向けて「体験」を重視した取り組みを行なっていく考えだ。
次回の総会は4月10日を予定。より深みのある発信やイベントで美容業界の素晴らしさを伝えていく、同団体の動きに注目したい。