ウエラ2024方針発表 新色+新ブランドで“高付加価値”を
ウエラジャパン合同会社(小室達明社長)が2月5日、「2024年 ウエラプロフェッショナル方針説明会」をオンラインにて配信した。
事業報告
まず、小室達明社長が2023年の業績報告を発表。
カラービジネス全体では2%の伸長となり、イルミナカラーの価格改定と4月発売の新色“L.A.コレクション”との相乗で堅調な推移をみせている。
他にも、白髪ぼかし・脱白髪ニーズを掘り起こす「リュクスカラーコレクション」や、ウエラの処方で最も明るく、ダメージの軽減に配慮した「ブロンダープレックス H」を11月に発売し、既存カラーのラインナップを拡大させている。
続いて、2024年に日本での取り組みを強化する武器を3つ紹介した。
1)日本人向けの開発拠点・東京イノベーションセンター
2023年に本格始動した東京イノベーションセンター。シンガポールから東京に移設したアジアのプロダクト開発の拠点だ。ここでは日本人の黒髪で日本の水、習慣、設備環境を前提とした研究をおこない、日本人向けの製品開発をベースとした新しい価値を提供する。
2)スタジオ東京をリノベ
スタジオ東京をリノベーションする。スタイリストとの接点であるスタジオの価値を再定義・変化させ、今の時代に沿った、スタイリストが集う場所を発信する。
3)新ケア商品のラインナップ
製品ラインナップを拡充。カラーラインナップの展開に加え、ケアの新製品を展開する。前述の研究開発センターで開発した、新しいケアのラインナップを2024年に新しくローンチする。これは特許を持った、ウエラ独自の新しい価値提供になるという。
他に、環境マニフェストとダイバーシティへの取り組みについて、実績を発表。
(抜粋にて紹介)非動物由来成分の原料使用を98%達成、パッケージの77%を再利用可能素材使用を達成、キャップの小型化による35%のプラスチック削減などを達成した。
また、ダイバーシティへの取り組みではウエラ社員における女性構成比59%、女性の部長以上の構成比40%以上を達成した。
市場環境・消費者動向
次に、ウエラが捉える2024年の市場環境と消費者動向が紹介された。
まず消費動向について、2023年は「自分らしさが躍動し始める、アクティブなフェーズ」としてウェルビーイングがトレンドに。2024年はそのさらなる広がりとして、「自分らしい『自分美』に投資するリアルライフ」がトレンド化。
物価上昇に伴う不安感や、コロナ5類でリアルの生活に戻ったことで時間の余裕が減ることを背景に、コスパ・タイパ意識による投資や、節約と贅沢のメリハリがあるポジティブ節約が消費の傾向となる。
市場分析では、ヘアカラー剤の市場規模は昨年対比4.5%増、ブリーチも19.4%増、ヘアケア店販も好調な推移と、依然成長を続けている。
消費者のサロン利用行動では、ヘアサロンの利用率は過去最低に。対して年間支出は過去最高となった。ポジティブ節約の価値観により、ヘアに対する優先度の高くない人はヘアサロンを利用しなくなった一方で、ヘアの優先度が高い人はよりヘアサロンへの支出、投資を高めているようだ。
また、成長を続けていたサロンカラー利用率も頭打ちに。しかし、利用者のプレミアムカラー率は上がっている。
サロンカラー利用者のうち、過去1年にデザインカラーをした人は29%・プレミアムカラーをした人は25%。どちらか1つでも利用したカラーフォロワーは42%に昇り、サロンカラー利用者のうち4割以上が高単価メニューを選んでいることになる。
また、店販販購入率は減少している一方、購入者の年間購入金額は過去最高に。ポジティブ節約の波が美容業界にも及んでいることの表れとなっている。
ヘアが自身の「ウェルビーイングにつながる」と感じている人はコスパやタイパが重視される生活の中でも積極的に高価値なサロンサービスに対して投資をしている。ヘアへの優先度が高く、ヘアに対して積極的な消費者だからこそ、プロである美容師への期待も高く、中長期的なパートナーとして高価値サービスの提供を求めるようだ。
2024年全体戦略
名倉 愛副代表(プロフェッショナルヘア事業部 マーケティング戦略本部 統括)からは、2024年戦略について発表。
2024年の全体戦略は「高価値サロンサービス」。
サロンサービスにおける高価値とは、サロンビジネスの基盤となるカラー、ケア、店販、それぞれのサービスそのものの価値を高めるための製品や提案を行い、技術を融合することでサロンサービスの価値そのものを高めること。
そのためには各サロンにおける戦略を把握し、それにあった製品やご提案が必須となる。ウエラはサロンにおける戦略を大きく3つに分類し、それに応じたサポートを実施する。
・メニュー強化型→上質を求める顧客がターゲット。共感を得られるサービスを展開する。
・特化強化型→デザインや施工を絞った顧客がターゲット。特化することで差別化を図る。
・物販強化型→髪への意識が特に高い顧客がターゲット。サロンにおける販売やサロンECを活用し、技術売上と並ぶ新たな柱を構築する。
これらの代表的なサロン戦略に対応するため、以下の4つの高価値サロンサービスエリアを設定し、サポートする製品の発売・提案を実施する。
透明感カラー、ハイトーンカラー、オトナカラーに加え、ラグジュアリーホームケアがこのエリアに加わる。
その背景として、カラーフォロワーがこの2年で5%上昇したこと、サロンカラー利用者のうち40%以上が高単価メニューを選択していること。店販購入額が過去最高と、髪への意識が高い人が増加し、消費者は「より自分らしい、自分美のために投資する傾向が顕著になっていることが挙げられた。
2024年は4つの高価値サロンサービスのエリアで、スタイリストの得意領域を最大化することで、サロンのカラーフォロワー率50%を目指し、ラグジュアリーホムケアによる、物販の活性によってサロンビジネスに貢献する。
ブランド戦略
イルミナカラー
3月に新製品、都会のモードさを感じさせるコレクション「アーバンスカイコレクション」を発売する。透明感カラーの領域をさらに広げるための新色で、シェードは透明感と軽やかさを実現する「ムーンライト」と、透明感を保ちつつ、今まで表現できなかった深みを実現する「ナイトスカイ」の2色。提案できる領域をさらに拡大する。
また、ライトナーともブリーチとも違う全く新しいカテゴリーのライトニング剤「ライトニング」「ライトニングブースター」の2製品も発表された。イルミナカラー最高明度を実現できる。従来のダブルカラーとは異なるアプローチでリフトアップを実現する。
コレストン
秋に新たな特化領域をサポートする新色を予定している。
システム プロフェッショナル
2024年から新たなオンライン発注システム「E-Store」をスタート。単なる発注システムではなく、オンラインで学べる教育動画や成功サロンでの事例を一元化し、導入サロンに対しての情報を集約するオンラインサイトとしてコンテンツを拡充していく。
秋冬にはシステムプロフェッショナルの中で最も認知の高いリュクスラインから大型新製品の発売を予定している。
新ブランド
夏にサロン店販の購入を促進するラグジュアリーホームケアの新ブランドを発表する。
営業教育活動方針
松原政寛副代表(プロフェッショナルヘア事業部営業本部統括)から、営業教育活動方針について説明。
高価値サロンサービスを3つの戦略、方針に基づいて推進する。
1)代理店とともに、サロン戦略・特性に合わせた提案をカスタマイズ。
メニュー強化型、特化型、物販強化型とそれぞれ営業教育戦略をウエラの製品やサービスの特性に合わせて提案するというもの。
2)グローバル、特にアジア諸国との連携を強化し、スタイリストの露出、学び、成長機会をサポートする。
アジア諸国のスタイリストへの技術セミナーなどを提供する。昨年4月に実施したグローバルイベントディスネーションなどを通じて、国境をこえたスタイリスト同士のコミュニケーションの場、イベント後もSNSなどを通じて交流を継続できるような環境、機械を提供する。
3つめはデジタルの効果的活用の推進だ。
インスタグラムによるスタイルおよびレシピなどの発信、Youtubeによる製品の使用法方法の解説などをより効率的に、そして一方通行で終わらないよう、代理店とも協力しオフライン活動に生かしていく。
閉会
弊会の挨拶では、其田 稔副本部長(プロフェッショナルヘア事業部 営業部本部)が「日本に上陸して今年で59年、今まではウエラというブランド名で私たちをよんでいただいたが、これからは社名としてウエラジャパンと呼んでもらえる。60年に向けて、新生ウエラジャパンは大きな変革となる」と述べた。