12/1発売のNEXT LEADER1月号の特集テーマは「財務の強化書」。美容室の倒産件数が急増しています。この背景にはコロナ以降の営業利益の減少と借入金の増加により、全国的に財務状況が悪化している美容室が増えていることが考えられます。売上至上主義から脱却し、利益率の高い経営を行なっていかない限り、業界で求められる待遇改善などは到底叶わないでしょう。自社の健康状態は今、どうなっているのか? 決算書の読み方から営業利益率の上げ方まで、財務強化のノウハウをわかりやすく解説しました。
【編集部の取材ウラ話】
今回の特集は実は1年前からあたためていた企画になります。過去に財務系の特集を行ったのは、2013年8月号と10年以上前(!!)。ずっと財務系の特集はやりたいなと考えていたのですが、あらためて知識を身につける時間が必要だったのと、取材サロンの協力が難しいこともあり、ようやくこのタイミングで実現しました。
財務系の特集を行う必要性を強く感じたのは、どことは言えませんが、以前取材した年商もスタッフ数も店舗数を伸びているサロンが、実は経営面では火の車だと聞いたとき。やはり表面的な数字を追っているだけでは、サロンの本当の経営状況なんて見えないなと感じたのがきっかけです。ネクストリーダーの取材では、誌面掲載は別にあらゆる角度から質問して数字にエビデンスを加えているつもりですが、やはり今後は財務的な裏付けが必要になってくると強く感じています。
今回の特集に全面的に協力していただいたのが、㈱タチカワのマーケティング本部長を務める本間隆太さんです。10ページに渡る解説ページ、取材サロンの選定まで、多岐に渡ってご協力いただきました。さらに今回は本間さんのご厚意で、サロンの財務データや店舗数字を打ち込むだけで、自社の強みや改善点が可視化できるシートもNEXT CLUB会員ページからダウンロードできるようにしてもらいました。

法人サロンでは、顧問税理士と顧問契約している会社がほとんどだと思いますが、記帳業務や給与計算だけの契約内容にしている会社も多く、経営相談を入れていなければ決算書に基づいた経営管理のアドバイスを受けることができません。こうしたことがきっかけで自社の財務状況がよくわからないまま、経営が傾いてしまうケースは多々あるのではないでしょうか。こうした事態に陥らないためにも、読者の方々には本特集を通じて最低限の財務知識を身につけるきっかけにしていただきたいと考えています。

今回の特集の最後に取材させていただいた佐藤正紀さんは、今年9月に23年間営業してきたBAX’TAGEをクローズしました。スペシャルレポート「僕のサロンはこうしてつぶれた」は、長時間に渡る取材によって、「なぜ好調だったサロンが衰退していくのか?」を冷静な視点で振り返っていただきました。同時代を生きてきた技術者の方にとっては、共感できる要素が多分にある記事になったと自負しています。

また、第2特集ではSNSの活用を経て、より包括的に取り組む時代になった「辞めない求人」をサロン実例とともに取材しています。偶然かもしれませんが、財務特集も求人特集もともに重要キーワードとなっているのが“生産性”。こうした視点で一冊通して読んでいただくのも面白いかもしれません。

以上、現場からでした。
<今月のコンテンツ>
・サロンの健康状態がわかる 美容室の財務入門(本間隆太/㈱タチカワ 執行役員 マーケティング本部長)
・通帳まで見せる透明性でスタッフが一丸に(CoCo/千葉県印西市)
・手堅い財務で教育サロンの王道を歩む(REJOICE hair/福島県郡山市)
・僕のサロンはこうしてつぶれた/佐藤正紀
第2特集 辞めない求人
・求人の最重要キーワードは“生産性”(有馬之秀/㈱船井総合研究所)
・創業41年サロンの採用と組織の改革(㈱ビシック/長野県松本市)
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