12月1日発売のNEXT LEADER1月号の特集は「メンズ客の単価アップ」。
依然盛り上がりを見せるメンズビューティ市場。来店周期が短い、失客しにくいというメンズ客のメリットは変わらないまま、課題だった単価が上げやすくなっています。美意識が高まれば、可処分所得が高い男性もいるだけにポテンシャルは高いはず。サロンの生産性を押し上げる単価アップ戦略をひも解きます。
【編集部の取材ウラ話】
今月の特集は「メンズ客の単価アップ」。2022年10月号でも「メンズ客のポテンシャル」という特集を行っており、2年連続のメンズ特集になります。昨年はメンズ市場の可能性について、幅広い視点から取り上げたのですが、今回はメンズの課題である単価アップに絞って取材を行いました。

ここ数年におけるメンズ市場のビッグトレンドと言えば、パーマに尽きるでしょう。メンズパーマブームの先鞭を打ったのは「波巻き」「スパイラル」などのキーワードを一般化させた東京・原宿のfifthが業界内では有名かもしれません。同サロンでは当初通いやすい中価格帯でカット+パーマのセットメニューを打ち出していたものの、徐々にパーマ比率が高まるにつれて、セットメニュー価格を徐々に上げていったと、以前木村允人さんが話していた記憶があります。同サロンの客単価は8565円(2015年)→12,379円(2023年)に。パーマ比率は67.5%、店販購買率が33.5%というから驚異的な数字です。
そのパーマの盛り上がりを活用して単価を上げているのが千葉県船橋市のTHE 3rd HAIR。カット料金は5390円。デザイン上必要がなければカットだけ帰すことも重要としているだけに、単価は7,821円(2023年平均)とそこまで高くはないですが、ツイスト系パーマはプラス1,100円、波巻きパーマはプラス2,200円とパーマ技術に付加価値をつけているのがポイントです。パーマ客の半数はいずれかのプラス料金を払ってパーマオーダーするとのこと。シンプルながら、技術力に自信があれば真似しやすい単価アップの方法ではないでしょうか。

一方、メンズ客にはなかなか根付かないトリートメントの提案で単価アップしているのがconfidence。渋谷店の平均客単価は10,471円。創業当初からカット+パーマのデザインを打ち出していましたが、最近は髪のダメージやツヤ感を気にかける男性が増えてきたこともあり、「髪質改善トリートメント」という打ち出しでメニュー化。ラインナップは2STEP、4STEP、5STEPの松竹梅方式。初回のみトリートメントの効果を実感してもらうために4STEPを無料提供。男性客は理論好きなタイプが多いため、ケアの必要性を理論的に説明すれば、納得してオーダーしてくれることが多いとのことでした。
大阪のL&Bホールディングスでは、2020年のコロナ禍に女性のみの個室型メンズサロン・LUXBE PREMIUMをオープン。隣接するグループ内のバーバーは4,000円台という単価の中で、同サロンの客単価は7,566円。ほとんどの顧客がカット+スパをオーダーするというが、シャンプー台完備の完全個室で、移動時間や待ち時間がないため、施術時間は1時間以内で終えられるといいます。驚くべきはスタッフ4名(うち1名は不定期勤務)で月432名という圧倒的な集客力。中価格サロンながらグループ内でも生産性が高いと高島悠代表が話していたのが印象的でした。

最後に紹介するのは、京都のバーバー・Dampfer(ダンファー)。カット&シェーブ7,150円ながら、何と新規客単価は2万円超え。初回は2時間かけてカット技法や使用商品を説明をしているというから驚き。フェイシャルメニューや眉メニュー、筋膜リリースなどのプラスメニューも充実しており、平均客単価は13,087円。美容室よりも肌に触れる機会の多いバーバーならではの利点はありますが、その考え方やアイデアは美容室に落とし込める要素があるはずです。
もともと来店周期が短いメンズ客だけに、単価が上がれば鬼に金棒。ぜひ、メンズ客の単価アップの参考にしてみてください。
以上、現場からでした。
<今月のコンテンツ>
・今こそ、メンズ客の単価アップを
・パーマ定着を軸とした高単価戦略(木村允人/fifth)
・トリートメントを武器に1万円超えの単価を実現(confidence/東京・新宿)
・3グレードで訴求する高単価パーマ(THE 3rd HAIR/千葉県船橋市)
・男性ファンを虜にする癒しのカット&スパ(LUXBE PREMIUM/大阪府大阪市)
・身を置く時間に投資するBARのようなバーバー(Dampfer/京都府京都市)
・第2特集 物流2024年問題と美容室
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