
表参道の5サロンのアシスタントによるヘアショー「ソウ(SOU)」が5月26日、東京・青山にて開催された。今年で3回目となる同イベントの会場には、美容学生をはじめ150人が集まった。出演サロンは「ドゥーブルソンズ(Double&SONS)」「テンダー(tender)」「トオ(TOH)」「ヴァシランド(vacilando)」「ヘブンス(HEAVENS)」。音楽、衣装、演出、すべてアシスタントだけでつくりあげ、個性あふれる5つの世界観が観客を魅了した。
テンダー
「テンダー」はミイラのように包帯にまかれて登場したモデルが、色彩豊かに変身していく。宇宙を思わせる演出と、コミカルでありながらどこか不穏な空気が独特な世界観をつくりあげた。
ヘブンス

「ヘブンス」は破壊的なパフォーマンスが観客の目をひきつけた。無造作でありながら過激なデザインは往年のパンクバンドさながら。
ドゥーブルソンズ
「ドゥーブルソンズ」は3部に分かれて登場。1幕目はでは髪を切った男の子と女の子がカフェで出会い、コーヒーとカットを注文しながら語り合うという斬新な演出で甘酸っぱい時間を描いた。2幕目では風船、チュール、お花のスカートといった装飾で「女の子ってかわいい!」を詰め込み、ハッピーな空気で会場を包んだ。3幕目では雷鳴がとどろく夜にめぐりあう2人の姿を描き、濡れた髪に静かにシザーが入るなかで、徐々に心を通わせるドラマチックなシーンを届けた。
トオ
「トオ」はパフォーマンス後、鳥を思わせる衣装に身をつつまれたモデルは、鎖を全身に巻かれて舞台から連れ去られてしまう。演出の細部に強いメッセージ性を感じる。
ヴァシランド
「ヴァシランド」はブルーとピンク、切りそろえられたステップカットと無造作なレイヤーカットの対象性が目をひいた。静かにゆれる人間の内面を描いたような、繊細で神秘的な世界観に。
5サロンそれぞれの想いや感性が存分に輝き、客席は終始一体感と熱気につつまれていた。ショーの最後には参加したアシスタントらが登場。「こうしなきゃいけないなんてない」「自分の好きなものを純粋につくることが大切」と語り、自由で型破りな姿を観客の美容学生に見せつけた。