美容師免許は取るけれど「美容師にならない」割合が増加 離職率は過去5年で最低に

美容師免許を取得しても美容師として就業しない人の割合が、2021年の18.7%から2025年には21.4%へと増加している。リクルートが運営する美容業界向け調査研究機関「ホットペッパービューティーアカデミー」が、全国の美容サロン従事者3243人を対象に行った調査で明らかにした。

出所:ホットペッパービューティーアカデミー「美容サロン就業実態調査(2025年)」

美容専門学校への入学者数は近年増加傾向にある一方、「資格は取得するが美容師にはならない」という選択肢を取る人がじわりと増えている。背景には、キャリア観の多様化に加え、美容業界特有の労働環境や待遇に対する不安があるとみられる。

同調査では、美容師として一度は就職したものの、その後離職した経験がある人の割合(美容師離職率)がここ5年で最も低い45.7%となったことも判明。福利厚生や働き方改革の取り組みが進み、若手が「美容師を続けられる」と感じられる環境整備が、徐々に成果を上げ始めている可能性がある。

出所:ホットペッパービューティーアカデミー「美容サロン就業実態調査(2025年)」

また、離職後に復職する「出戻り美容師」の存在も増えており、現役美容師のうち44.3%が一度は業界を離れた経験があると回答。ライフステージの変化を経ても復職できる柔軟な制度整備や文化醸成が、今後の業界活性化の鍵を握りそうだ。