中国で日本人美容師3人が拘束、入管法違反の疑い 複数メディアが報道

中国・北京市で、日本人の美容師3人が4月8日に出入国管理法違反の容疑で拘束されたと、FNNや共同通信など一部メディアが報じた。

報道によれば、3人は就労ビザの範囲を超えた活動をしていた疑いが持たれている。具体的なサロン名や働き方の詳細は明らかになっていないが、いわゆる「資格外活動による不法就労」とみなされた可能性が高いという。中国当局は、3人を最大14日間の行政拘留とする方針と伝えられている。

FNNによれば、2月にも同様の容疑で日本人男性3人が拘束されたばかりで、関係者の間では「これまで見過ごされていたような行為が急に摘発された」と戸惑う声も出ている。

背景にあるのは、中国政府が外国人労働者への法的取り締まりを強化している動きだ。中国では、外国人が働くにはビザの種類や資格に厳しい規定があり、美容師のような技術職でも現地の免許や就業許可が求められる。日本国内で美容師免許を持っていても、中国ではそのまま業務ができない場合がある。

とくに、観光ビザや短期滞在ビザでの現地サロン勤務、イベントでのヘア施術などは「軽い感覚」で行われがちだが、中国では明確な違法行為として処分の対象となる。今回のように突然拘束され、拘留・罰金・強制退去といった対応が取られるケースも少なくない。

美容師の海外進出やグローバルなキャリアは、今後も拡大していくと考えられるが、同時に国によって異なる法制度への理解と、適切なビザ・資格取得が必須であるというリスク管理の重要性を再認識させるものとなりそうだ。

なお、在中国日本大使館は事実関係を把握しており、領事面会などの支援を行っている最中だという。