花王、24年12月期はヘアケアでも成長加速 サロン向け「オリベ」や新ブランドが躍進

花王が2024年12月期の通期連結決算を発表した。売上高は1兆6,284億円(前年比6.3%増)、営業利益は1,466億円(前年比144.3%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,077億円(前年比145.7%増)と、大幅な増収増益を記録した。ヘルス&ビューティケア事業の売上高は4,240億円(前年比7.9%増)と、スキンケア・ヘアケアの両分野で安定した成長を遂げた。

「オリベ」は2008年に米国で誕生し、2018年に花王グループ入り。日本では2021年4月より展開。

サロン市場を含むヘアケアカテゴリーも好調だ。プロフェッショナル市場では「オリベ(ORIBE)」がEコマースを中心に売上を拡大しEC構成比は41%まで伸長。「ゴールドウェル(GOLDWELL)」は欧州市場での存在感をさらに高めた。サロン向け製品の強化が奏功し、ラグジュアリーヘアケア市場でのシェア拡大が進んでいる。一般市場でも「エッセンシャル」のK-POPガールズグループNewJeans(ニュージーンズ)を広告モデルに起用したリブランディングや新ブランド「メルト(melt)」「ジアンサー(THE ANSWER)」のローンチが計画を上回るパフォーマンスを記録。2024年11〜12月には当初目標の2倍のシェアを獲得しヘアケア市場でのプレゼンスを一層強めた。「ケープ」の新作も売上を押し上げ、欧米では「ジョンフリーダ」が安定した成長を続けた。

美容業界全体を見据えた戦略も進化している。プレミアムヘアケアの需要に応える高付加価値製品の開発を推進し、サロン専売品のラインナップを強化。環境に配慮したエシカルビューティの視点から、持続可能な成分やパッケージの採用にも力を入れている。

2025年の業績予想は、売上高1兆6,700億円(前年比2.6%増)、営業利益1,600億円(同9.1%増)。サロン市場のさらなる成長を見据え、デジタルマーケティングやEコマース戦略を拡充しグローバル市場でのシェア拡大を狙う。花王のヘアケア戦略は、美容業界にとって今後も重要なトピックとなりそうだ。