シェノンが2025年の政策発表を配信 “共好”と次世代組織で描く美容の新未来

ヘアサロン・エステなどを関西に16店舗、東京に2店舗を展開する「CHAINONエンターテインメント 」は1月20日、2025年度の政策発表をオンラインにて配信した。

2024年の成果報告

2024年はCHAINONブランドの拡大が顕著だった年となった。トップブランド「THE CHAINON 青山」のオープンに加え、グローバル展開を視野に入れたCHAINONグローバルの設立、「How to CHAINON?」のYouTubeチャンネル開設、推し活プロジェクトなどが話題を呼んだ。

さらにマレーシアでの浴衣とヘアメイクイベントや、サウナイベント「CHAINON SAUNA CLUB」、クラブイベント「CHAINON K MUSIC PARTY」などエンターテインメント領域への挑戦も成果を上げた。会社としては取締役会設置会社への移行、新ブランド「CHAINON HOMME」の展開、リブランディングされた「OR」のオープンなど組織やブランドの拡充が進んだ。

また韓国最大級のヘアサロン「JUNO HAIR(ジュノヘアー)」との提携を強化し、日本国内で「JUNO JAPAN」を設立した。

昨年の発表ではなんばHatchでの開催が話題となったが、今年はバーチャル空間のオンライン形式でより多くの参加者を迎えた。

2025年のテーマとスローガン

今年のテーマは「人とテクノロジーの融合による持続可能な企業を創る」。スローガンは「GOOD to GREAT」で、「良い(Good)にとどまらず、偉大(Great)な企業を目指す」という理念が掲げられた。坂口社長は「美容業界の可能性を広げ、長期的な成功を追求したい」と語った。

経営理念「STAY GOLD」を継続し、昨年に引き続き「人生を変える体験と感動の提供」というミッションを重視する姿勢を示した。

「共好」と「ハイパーメンバーシップ型組織」

新たな提案として、中国発のビジネス思想「共好(ゴンハオ)」を取り入れ、競争ではなく協力を重視したビジネスモデルの構築を目指す。さらにフリーランスや副業者を「関係スタッフ」として包括する「ハイパーメンバーシップ型組織」を推進。組織の柔軟性と持続可能性を高める取り組みとして、雇用形態を問わずチームとしての一体感を醸成する方針を発表した。

ただし多様なメンバー間での調整や信頼構築、透明なコミュニケーションの確保が課題として挙げられ、これを解決するためSV(スーパーバイザー)やTD(テクニカルディレクター)の新ポストを設置。統括SV兼執行役員として浅井萌衣氏、TDとして縞田健一氏、松本竜之介氏が就任した。

具体的な施策と新展開

今年は美容室専用のギフトカード「B-GIFT」の導入やライブコマース事業の強化を発表。さらに新キャリアモデルとして「CHAINON NOREN MEISTER」というのれん分けシステムを採用し、100名のヒーロー(プロフェッショナル)を育成することを目標としている。

また韓国のJUNO HAIRブランドにおいては2025年には新宿、なんば、博多にJUNO HAIRの店舗をオープン予定としており、JUNO ACADEMYの展開やブライダル業界への進出も視野に入れる。

CHAINONチップトーナメントと推し活戦略

ブランディングディレクターの牧紀衣氏は、2025年の推し活戦略として「CHAINONチップトーナメント」の開催を発表。2024年のチップ獲得数に基づき、3部門(100枚以上、50~99枚、50枚未満)に分かれてトーナメント形式で競い合い、約6か月後に部門ごとの王者を決定する仕組みとなっている。また推し活チップを活性化するため、「ご紹介チップ」などの新施策も導入。スタッフ間のモチベーション向上が期待される。

JHA2024グランプリ雑賀氏を迎えたCVCの展開

CVC(Challenge Voluntary Chain)は、志を共有する美容オーナーの集まりとして2025年も活動を強化。JHA2024グランプリを受賞した「TONI&GUY」CEOの雑賀英敏氏が特別顧問に就任し、枝村仁氏をはじめとする一流美容師が講師陣として加わることが発表された。

この取り組みは美容業界の知識や技術の共有を通じて全体の水準を底上げする狙いがある。経営勉強会や合同技術講習、オンラインでのCHAINON大学など、幅広い活動が予定されている。

シェノンは、協力と共創を基盤にした未来型組織の実現を掲げ、2025年も美容業界をリードする挑戦を続けていく。