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おしゃれだった祖母の角刈り頭がきっかけ【全国売れっ子スタイリスト連載第29回】最高技術売上147万円/新潟県新潟市

月刊BOBの長寿連載、『日本全国売れっ子スタイリストを探せ!』。なかなか知ることのできない、リアルに売り上げが高い美容師さんの数字や取り組みを赤裸々に取材するこの企画。2004年に「人が好き!美容が好き!」というメッセージを掲げて始まり、名前や形を変えながら日本全国の200名近い美容師さんを紹介してきました。(現在の連載タイトルは「日本全国売れてるスタイリストを探せ!」)働き方、ライフプラン、キャリアプランのヒントが詰まっていて、掲載はいつも雑誌の後ろのほうですが反響の大きい企画です。

今回は月刊BOB2006年8月号掲載の第29回をご紹介します(記事内容はすべて、取材当時のものです)。

全国売れっ子スタイリスト連載第29回 小野由香里さん[SNIPS(スニップス)/新潟県新潟市]2006年8月号掲載

小野さんの売り上げデータ

おのゆかり◎新潟県村上市出身。中条高校卒。新潟市の美容学校ジャパン・ビューティ・アカデミー入学、同時に東京・日本美容専門学校通信課程に入学。卒業後、SNIPSに入社。現在、SNIPS LOHASの店長を務める。趣味はゴルフ、スノーボード、カラオケ。スキンケアにも気を使っていて、週2回のパックは欠かさない。その中ではカスピ海ヨーグルトのパックがお勧めという。自転車で5分の距離、1人住まいの家から通勤し

店長になったばかりの25歳!

新潟市にあるSNIPS LOHAS。オーナーは由藤秀樹さん。若いおしゃれなお客を集めて、技術の上手なサロンとして評価が高い。そのサロンの店長さんは小野由香里さん。まだ店長になったばかりの25歳だが、昨年末は実績で社内トップ。

ベッドに寝たきりの、大好きなおばあちゃんの角刈りの頭を見て、痛切に美容師になりたいと思った。原色のファッションに明るい笑顔の似合う小野さんだが、美容師になった動機は実にしっかりしている。

介護施設に入所した祖母が角刈りにされて

新潟県の北部、日本海に面した小さな城下町、村上市で小野由香里さんは生まれた。

その街で今も大工をしている父が、昨年4月にオープンしたSNIPS LOHASのセット鏡の棚をつくってくれた。小野さんは今年の4月から、そのサロンの店長だ。

「離れて暮らしているけれど、私の一番のサポーターはお父さんです。自分も『同じ職人だから大変さがわかる』と、最初は美容師になることを反対されました。でも、今は私のことをしっかり応援してくれています」

その父の反対で一時期、美容師を諦めて福祉関係の仕事に進もうと考えたこともある。

しかし、美容師になりたいという、やむにやまれぬ熱い思い、強い動機があった。福

祉関係に進みたいと考えたのも、美容師になりたいと考えたのも、その理由の延長線上にあるのは、大好きなおばあちゃんのことだった。

そのおばあちゃんが、今年の3月に12年間の長い闘病生活の末に亡くなる。脳内出血が原因で右半身が不自由になり、ベッドに寝たきりの生活がつづいた晩年だった。

「パーマ屋さんに行くのが大好きでした。でも施設に入ってからは、角刈りみたいな頭にされて。言葉は不自由だけれど、意識はしっかりしているから、おばあちゃんがかわいそうでかわいそうで。高校生のときはまだカットができないので、顔剃りだけはしてあげていました。美容師になってからようやく、車椅子に座ってもらってカットをしてあげました。おばあちゃんもうれしそうだったけど、一番うれしかったのは私です」

亡くなったときには、ファイナルメイクをして送り出してあげたという。小野さんの美容師としてのバックボーンには、家族のあたたかい絆と、美容を職業として選んだ強い意志がある。

障害のあるお客さまにも、自然に向き合えるスタッフを誇りに思う

おばあちゃんへの熱い思いでスタートした美容師人生だが、SNIPSでも最近、その思いを再認識するような出来事に遭遇する。

忙しい時間帯に予約なしで、車椅子の20代の女性客が来店した。同行した介護士も、半信半疑で申しわけなさそうにしている。

サロン側としても、これ以上はお客を入れたらパンク寸前という危険な状況だった。

「でもすごかったのは、フロントです。当然のような顔をして、私に『入れてもいいですよね』と確認するし、他のスタッフもみんながごく自然に受け入れてやさしかった。それを見てうれしかったですね」

手足がしびれて、頭のブレが止まらない症状なので、シャンプーをするのも大変な作業だ。

しかし、その頭の揺れが急に止まる。見るとポカンと口をあけて眠っていた。

やがて目覚めて、「気持ちよかったー」と笑みを浮かべる。

カットが終わり「きれいになったー」と喜んで帰ってくれたという。

「気づいたら、SNIPSはバリアフリーのサロンでした。車で乗り付けやすく、しかもサロン内では車椅子での移動も支障がない。やっぱり、どんなに障害を抱えていても女であることを忘れる人はいません。そしてそういうお客さまをさりげなく、しかも一生懸命に対応したSNIPSのスタッフがみんな輝いて見えて、誇りに思いました」

小野さんにはまだ他に、20代の障害を持った女性客が2人いる。1人は生まれつきの完全な脱毛症で、オーダーのウイッグでは30〜40万円もするので、小野さんがネットで調べて2万円のウイッグを取り寄せ、特別にカットをしてあげている。

「美容院だけどここは病院だね、って言っていただける。とてもうれしい言葉。スタッフみんなが逆にパワーをもらえるんです」

ネイル施術中のお客さまに得意のアイロンワークをサービス

 

弱冠25歳の店長は、アシスタント時代も指名客数100名弱

小野さんは1昨年6月にスタイリストに昇格したばかりの25歳である。それでも昨年末の実績発表では、売上げのトップに立った。

「お祝いしてもらいました。でも自分1人の仕事ではなく、アシスタントや人間関係の結果でできるものです。SNIPSはノルマもないし、数字について何も言わないサロン。何よりもまず、人間力を言われます。だから私も、不得意なお客から逃げないようにしています。そうでないと成長できませんから」

アシスタント時代に、シャンプー、ヘアカラー、パーマ、メイクの指名が1カ月100名弱もあったという。

「頼まれたら何でもできるアシスタントになりたかった。オーナーの由藤さんのセミナーのアシスタントについていって、言葉、伝達法を一生懸命に吸収しました。でも最終的にはテクニックがないと人はついてきません」

後輩の朝練、夜練には必ず付き合う。

「今、自分の中に蓄えれば必ず後で生きる。だから今は休みはあまりいりません。自分磨きと練習会にはできるだけ時間を使いたい」

SNIPSには村上市で独立している先輩に勧められて入社した。3週間の実習期間があって、感動だらけの毎日だった。スタッフがカッコよくて、笑顔が絶えない。

そのときに、由藤さんに「頭をやってやるよ」と言われてできあがったヘアスタイルには正直、感動した。美容師としての目標ができる。

でも、実習を申し込む前にサロンをのぞいてみて、ホワイトブリーチの客がいるようなSNIPSに自分が合うかためらった。1軒隣りにある制服のサロンを見て迷ったのだ。

「そのとき私の前には2つの扉があった。もう1つの扉を叩いていたら、まったく違う人生になっていたんですよね。勇気を出して扉を開けたら、あったかく迎えてくれました」

カラーデザインは絵に書いてお客に説明

とくだ

AUTHOR /とくだ

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