ヘアドネーションのやり方完全版!行きつけの美容室でできて利用者の顔が見える頭髪寄付

ヘアドネーションのやり方完全版!行きつけの美容室でできて利用者の顔が見える頭髪寄付

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「小さなことでも誰かの役に立ちたい」というお客さまの願いを、美容師さんが技術を通して実現できるヘアドネーション。

前編では、群馬県の高校生が始めたヘアドネーションの啓蒙・ウイッグ寄贈のストーリーを通して、髪の力は生きる力につながること、ヘアドネーションは最も身近な社会貢献であることなどをお伝えしました。

後編では、実際に編集Nが伸ばした髪を切り、送り、受け取ってもらうまでの全工程を紹介! 女子高生ヘアドネーション同好会の現役メンバーの完全監修のもと、頭髪の条件や送付の注意点などを紹介します。

ハッキリ言って完全版! 美容師さんはこのページを真似ればヘアドネできる! 美容師じゃない読者さんは、もし美容師さんに「できない」と言われたら、こちらの記事を見せていただければOKというレベルでまとめました🔥

前編はこちら

大切な髪を利用者に届けてくれる頼もしい高校生たち

今回協力してもらった女子高生ヘアドネーション同好会は、ヘアドネーションの普及、啓蒙活動からウイッグ制作・寄贈までを一手に担う高校生の団体です。

アートネイチャーの全面協力、提携先の病院と直接やりとりをし、これまで10号以上のウイッグを患者さんのもとに届けてきました。

    の2章立てで解説していきます!

    取材した人

    女子高生ヘアドネーション同好会
    学生代表 増井心葉さん(前列中央)/ 2年生 廣瀬楓佳さん(前列中央左)

    群馬県太田市の高校・ぐんま国際アカデミーの生徒が2017年4月に発足したヘアドネーションの啓蒙・ウイッグ制作・寄贈といった活動を行う同好会。同校の生徒だけでなく県内外の高校生が参加し、毛髪の管理や寄付者へのお礼のお手紙執筆、ヘアドネーションの普及と理解向上の活動を行なっている。現在約15名が参加。月に200〜300通の寄付が集まる。

    頭髪の長さは31cm、カラー毛・パーマ毛も大丈夫!

    ――早速ですが、ヘアドネーションをする際の頭髪の基準を教えてください!

    増井 まず、長さ31cm以上の頭髪をお送りいただくようお願いしています。引っ張ったら切れてしまうくらい傷んでいるものは加工できないのですが、カラーをしていたりパーマをかけていたりするくらいは大丈夫です!

    ――ということは、エイジング毛も大丈夫? 年齢を重ねると白髪が表れるだけでなく、細くなったりうねったりしてしまうのですが……

    増井 毛量や毛の太さは問題ありません! 毛の細い方や、年配の方の寄付もいただいています。

    ――よかった! では髪を束ねるときの注意点はありますか?

    増井 そうですね、しっかり乾いた状態でお送りいただきたいということがあります。同好会の活動は週1回で、1週間事務局に保管されているので、湿っていると雑菌繁殖の恐れがあるためです。美容室で髪を切る前にシャンプーをされると思うのですが、ドネーションを希望するお客さまの場合は、シャンプーをする前に切っていただいた方がいいかと思います

    そのほかは、時々ゴムがほどけてバラバラになってしまっているものがあるので、ゴムで縛った1cm上くらいから切ってもらえるといいかと思います!

    廣瀬 シリコンゴムで結んで送ってもらっているものは解けづらいようですよ!

    ――なるほど! わかりました。ほどけないようにして送りますね。切った頭髪を送る際の容れ物に指定はありますか?

    廣瀬 防水ができる袋でしたらなんでも大丈夫です。ジップロックに入れる方もいますし、クリアファイルに挟んでくださる方もいらっしゃいます。せっかく乾いた状態で切っていただいても、雨などで濡れてしまってはいけないので、防水の観点だけご注意ください!

    POINT

    頭髪寄付の条件・注意事項

    • 長さは31cm以上!
    • 引っ張って切れるほどのダメージでなければOK(完全ブリーチ2回以上くらいになると難しそう)
    • カラー履歴・パーマ履歴いずれもOK
    • 毛量や毛の太さに縛りはない
    • シャンプー前にカット! 湿った状態で送付しない
    • 防水できる袋に入れて送付!

    カットから送付まで! 行きつけの美容室でお願いできる!

    ❶ 髪を伸ばす

    まず大切な第一条件は長さです。編集NのBeoforeはこちら。送付条件は31cmですが、縛ってカットしたところから調整を行うとさらに短くなるので、私の場合は首の付け根から毛先まで約41cm程度伸ばしました。これが最終的に何cmになるのか、お楽しみに。1年以上前に複数回ハイライト履歴あり。が、当時から寄付する旨を伝えており、履歴ありの部分は避けてチップをとってもらっていたので、複数回ブリーチの箇所はないはず。

    ❷ 行きつけの美容室に行く

    切った後の感想ですが、40cm近いレングスチェンジをするにあたり、初めてのサロンや関係の浅いサロンでカットするのはどんなに技術に定評のあるサロンでも抵抗があるなと感じました。
    行きつけのサロンがない場合も、伸ばし始めるメンテナンス期から「ヘアドネーションをしたい」旨をしっかり伝えて、伸ばす過程も複数回1カ所に通い続けるようにすることを猛烈にお勧めします。そんな場合、ヘアドネーション団体の賛同サロンや、力を入れているサロンを選ぶのは1つの手。そういったサロンは前例をたくさん持っているので、伸ばしていく過程のケアや悩みなどにも向き合ってくれるはずです。

    協力サロン LILI(東京・原宿)
    Salon Information
    協力サロン LILI(東京・原宿)

    http://www.lili-hair.jp/

    住所 〒150-0001
    東京都 渋谷区神宮前3-15-4j-hill side B1F
    MAP Google map

    ❸ 全頭をセクション分け

    私の場合は、バック4セクション、フロント両サイド各1セクションの6セクションで分けとってもらいました。
    増井さんと広瀬さんにシリコンゴムが最適とアドバイスもらったのですが、アップ用の細い布ゴムできつく縛ってもらう形に。極力毛流を崩さない状態でまとめてカットするためです。送る前に袋から取り出し、シリコンゴムで補強しました。

    私が伸ばしている間にも、何名もお客さまのヘアドネーション用のカットをしたというLILI代表の三好真二さん。カット技術に定評があり、編集Nは「ショートの神様」と崇めていますが、そんな三好さんでも「普通に梳かし下ろした状態での40cmカットより、1カ所に結んで根元を切る40cmカットは難しい」とのこと。

    伸ばしている間に毛穴の方向性が変わったり、特に私の場合は30代に差し掛かったタイミングで伸ばし始めたので髪質が変化したりと、伸ばす間に様々な問題が浮上します。やはり、ヘアドネーションしたいお客さまにとって、行きつけの美容室でカットできるに越したことはないし、それを任せられるカット技術を持つサロンに出会うところからヘアドネーションは始まっていると思います。

    ❹ いざ!カット!

    切った毛束はその場ですぐにジップロックなどの防水の袋へ。ドネーションする場合は必ずお客さまの方でお店に持参してください。

    それがこうなって!

    こう!

    パーマもかけてもらいご機嫌で帰宅。ご機嫌って、とても大事だと思うんです。ボランティアって自己犠牲では決してなく、パワーのおすそ分けだと思うので、切ってスッキリ!ハッピー!でなくては意味がないと思う。

    だからこそ、より多くの美容師さんの理解と協力が必要だと痛感しています。

    ※長さを最終確認

    シリコンゴムで補強する際に長さをチェック。
    約36cmといったところでした。これだけ伸ばしたけど、結構ギリギリ!

    ❺ 投函!

    送り先はこちら。

    〒373-0813
    群馬県太田市内ケ島町1361-4 女子高生ヘアドネーション同好会 宛
    宅配便記載用連絡先:0276-47-7711

    今回は取材なので事前に学生さんとやりとりをしていますが、事前連絡は不要です。

    今回はレターパックで送付しました。念のためクリアファイルで二重防備。

    投函日は偶然雨……! 防水せよとのアドバイス、とても重要だなと思いました。

    ❻ そして同好会の皆さんの手元へ!

    代表増井さん(左)と広瀬さん

    無事に受け取ってもらうことができました!

    受け取った頭髪の長さを測る増井さん。

    理念や寄付方法の普及でたくさんの笑顔を!

    ――ご協力ありがとうございました! 注意すべきところさえ押さえればとっても簡単でした。最後に、増井さんと広瀬さんのヘアドネーションへの思いをお聞かせください!

    廣瀬 私は一度ウイッグの提供と採寸に立ち会えたことがあります。その際に病院の方に「お子さんの頭はデリケートなので細心の注意をお願いします」と指導いただき、責任に身が引き締まりました。創設メンバーの次に入部歴も長いので、貴重な経験を生かして先輩のサポートをしていきたいです。SNS発信など新しいことにもチャレンジして、もっと盛り上げていきたいです!

    増井 去年よりグッとメンバーが増えてとても助かっていますが、ありがたいことに寄付も増えているので、とにかくメンバー1人1人の負担をいかに偏りなくみんなで気持ちよく活動できるかを考えています。作業効率を上げる工夫もしていきながら、私自身が1人1人をもっと大切に、仲良くしていきたいです。

    ときどき「私たちの負担にならないように」とお気遣いくださり、お礼の手紙は結構ですと申し出てくださったり、住所を書かずに送付してくださる方がおられるのですが、寄付してくださった1人1人に寄贈した方の代わりに感謝の気持ちを伝えるところまでが活動の意味だと思っているので、ぜひお手紙は書かせてください! そして、ぜひ周りの方にこの活動を広めてくださると嬉しいです。

    1人の女子高生が「これなら学生でもできる!」と始めたヘアドネーション同好会。彼女たちの取り組みや活動の継承に触れ、実際にそのプロセスを追ってみて、改めて身近な社会貢献活動だなと感じました。

    昨今、テレビやファッション誌などでも「エシカル消費」とか「サステナブル経営」、「CSR(企業の社会的責任)」といったキーワードを見かけるようになり、その観点でビジネスモデルを構築する美容室も現れ始めました。

    だとしたら、ヘアドネーションは美容師さんに“しか“できない社会貢献の一手です。

    少し手間はかかるかもしれないけど、あなたのサロンのお客さまが「この髪を通して人の役に立ちたい」とおっしゃったなら、ぜひ向き合ってほしいなと思います。

    これからの時代、消費者が商品やサービスを選ぶときに“社会貢献“を基準にするようになるということもそうですが、何よりも、美容を通してお客さまの自己実現の手助けができれば、その方は必ずあなたの生涯顧客になるはずだと思うからです!

    ▶︎女子高生ヘアドネーション同好会ホームページ
    https://hairforchildren.wixsite.com/hairforchildren

    ▶︎女子高生ヘアドネーション同好会 Twitter
    頭髪の寄付の仕方の啓蒙や寄付した人とのお手紙のやりとりなどがチェックできます!
    https://twitter.com/hairforchildren

    ▶︎女子高生ヘアドネーション同好会 Instagram
    現在のメンバーの活動の様子などが配信されています♪
    https://instagram.com/hairforchildren

    ボブログ編集部
    執筆者
    ボブログ編集部

    成長し続ける美容師のための髪書房ウェブメディア『ボブログ』。これまでにないスピードで変革する時代に必要な情報【パラダイムシフトの芽】をいち早く見つけ、掘り下げ、新しい常識を提案します。

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