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コロナ第3波到来・パリの美容室は今何してる? 取材レポート

1日の新型コロナウイルス新規染者数が、現在も約2万人にのぼるフランス。(日本の新規感染者数は1日2,228人・2/1~2/7の平均数値)
中心地パリのサン・ジェルマン・デ・プレ地区で1976年創業のヘアサロン「Hair Cutting Garden Jacques Moisant(ジャック・モアザン)」の責任者を務める米山重雄さんに、コロナ禍でのサロンワークの現状などについてお話しを聞きました。

 

現在第3波到来、パリ美容室の現状を教えてください

――今パリの美容室ではどのような新型コロナウイルス感染症対策を実施されていますか?
米山さん:日本の対策とほぼ同じだと思います。入店時のアルコール消毒、スタッフ・お客さまもマスクを着用、サロンの㎡数によりお客さまの数が決められているので、予約制限を行っています。国からの指示が都度変わるのですが、現在はお客さまとお客さまの席間を4m程度空けることが義務付けられていますね。

――パリの街はどのような状況でしょうか。
米山さん:外を歩く際にはマスク着用義務、18時以降の外出は厳しく制限されていて証明書が必要です。その証明書には勤務先の社長のサインも必要で、警察官がチェックしていますね。1/15までは20時以降の外出が制限されていたのですが、第3波による感染者数の増加で18時まで外出制限時間が繰り上げられました。

――そのような状況で、サロンにいらっしゃるお客さまの変化はありますか。
米山さん:2020年12月の売上は、過去最高金額にのぼりました。10月末から11月末まで2回目のロックダウンでお店を閉めなければならなかったこともあり、12月は年末まで予約がパンパンでしたね。美容師側としては滞在時間の短縮など心掛けてはいるのですが、気にされるお客さまはとても少ない印象です。国民性だとも思うのですが、コロナ前とお客さまのニーズが大きく変わったという印象はありません。

フランスのロックダウン期間・外出制限

2020/ 3/17 1度目のロックダウン(→5/11から段階的に解除)
2020/10/30 第2波により2度目のロックダウン(→11/28から段階的に解除)
2021/ 1/16~ 20:00~翌朝6:00までの外出制限を18:00~翌朝6:00までに変更・強化。すべての店舗・事業は18:00に閉鎖。

 

コロナ禍にあるパリの美容室で、今何をしていますか?

ーー営業時間を短縮したりと思うように営業できない中、どのように過ごしていますか。
米山さん:スタッフ1人ひとりのやる気を持ち上げる努力、会社の発展は自分の発展でもあると考えているので、会社を持ちあげる努力をしています。例えば最近、お店のホームページに掲載するためのイメージ動画を知人と制作したり、1月には『Collection printemps 2021』と題したコレクション撮影をスタッフとともに行いました。日本の美容師の皆さんにもぜひご覧いただけますと幸いです。

〇サロンのイメージ動画はこちらより(「ジャックモアザン」のサロンHPへとびます)
〇『Collection printemps 2021』テーマ『春』……ヨーロッパの暗く、寒く長い冬をやっと乗り越えたという開放感を思いっきり感じることができる素晴らしい季節。2020年は、コロナの影響により、この素晴らしい季節『春』を感じることができなかった。2021年、この『春』を思い切り感じたい。今回は、『Blanche(白)』、『Noir(黒)』、『Mélange(ミックス)』という3種類の作品を制作した。
撮影バックステージ動画がこちらからご覧いただけます!(YOUTUBEへとびます)

 

アフターコロナにパリの美容室で働きたい! と思ったら?

ーー少し話が脱線してしまうのですが、コロナ収束後にパリへ美容を学びに行きたい! という美容師さんもいらっしゃると思います。日本だとなかなか生の情報がないのですが、状況を教えてもらえますか。
米山さん:これはコロナ前からなのですが、若年失業率が20%にせまる国ですので、外国人がサラリエ(日本でいうところの会社員)として勤務することは正直とても厳しいです。このコロナで失業率はより深刻な状況になっています。学生ビザ(1年)、ワーホリ(1年。その後学生ビザや就労ビザへの切り替え不可)、フリーランス滞在許可証(4カ月~1年)での渡仏を選択する美容師さんが多いと思います。

ーー必要な語学はありますか。
米山さん:僕自身は6~7割がフランス人のお客さまで、3~4割が日本人のお客さまです。様々なバックグラウンドのお客さまがいらっしゃるので、英語とフランス語は両方話せたほうがいいと思いますね。

ーー需要の高いメニューはありますか。
米山さん:
ヨーロッパの方はブロンドにしている方が多いのでヘアカラーは必須メニューです。実は根元から生えてくる地毛は、グレーとブラウンが混ざったような感じなんです。バレイヤージュやハイライトを使うことが多いですね。ジアミンが入っていないヘアカラー剤が好まれる傾向が数年前からあり、私のお店でも取り入れています。日本人美容師さんが来て驚くかもしれないのは、フランスはブロー文化なのでフランス人美容師のブロー技術の高さかもしれません。

ーーフランス人のお客さまの特徴を教えてください。
米山さん:日本人のお客さまと違うのは「あなた美容師なんだから提案してよ!」というスタンスです。骨格や顔立ちから「あなたにはこういうものが似合うのでは?」と美容師が提案する、その提案を受けるために美容室に来ている方ばかりなので、技術をメインで提供するイメージが強い日本の美容室にいらっしゃる方とは少し違うかもしれません。どちらにしても、とてもやりがいがあると思います。

ーー集客はどのように行っているんでしょうか。
米山さん:集客は圧倒的に口コミ、紹介が紹介を呼ぶという方法ですね。フランスでもGoogleの星の数を見て訪問先を選んでいる方もいるとは思いますが、やはり口コミにはかないません。

ーー今日はいろいろなお話しをお聞かせいただき、ありがとうございました!
米山さん:フランスは、とてもモードな部分と昔ながらを守りたいコンサバな部分が混在する国と言えるかもしれません、そして親日家の国です。ビザと言葉の課題をクリアできれば、ぜひ働くことをおすすめしたいほど、パリは素晴らしい街ですよ。コロナが早く収束することを願っていますし、皆様がパリという街に興味を持ち、短い滞在期間であっても、日本とは違う文化を経験してほしいと思っています。海外だけではなく初めての経験は、恐怖もあると思います、しかし、挑戦をすることで経験となり自分自身に自信をつけることにつながり、自信は人生にとって大きな財産となると考えています。

 

米山重雄(ジャック・モアザン/フランス・パリ)
よねやましげお/2004年から4年間、日本国内の美容専門学校のプロジェクト責任者としてパリの美容室に勤務。その後退職し、上海の美容室に1年間務めた後、帰国し都内美容専門学校の責任者として5年間勤務した。2016年に家族で渡仏し、2019年より現在の「ジャック・モアザン」パリ本店(株式会社ソシエワール運営)の責任者。

 

月刊BOB編集部

AUTHOR /月刊BOB編集部

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