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ストレートパーマの需要は
年に4回訪れる!?

※この記事は、髪書房WEBZINEにて2016年7月に取材・掲載したものです。

ストレートパーマを使いこなせる美容師はどれくらいいるでしょうか。約20年前のアムラーブーム。当時の美容室では「クセを伸ばす」ため、ストレートのロングヘアに憧れた女性たちがストレートパーマを求め来店していました。デザイン性ではなく、あくまでも悩み解消のために。

ストレートパーマにまつわる市場の動き

それ以降、ストレートパーマが大々的に注目されたことはありません。「伸ばせる」は当たり前。いかに傷ませずにきれいなストレートに仕上げられるかが次の課題でした。ヘアカラーによる繰り返しの施術が多くなったこと、ケアに着目する人が増えたこと。それによりダメージをさせない技術、薬剤の進化が問われ、デジタルパーマをはじめとする新たな手法が誕生しました。また、ヘアカラーとの共存ということもあり、パーマ剤でも化粧品カーリング料の割合が増加傾向(日本パーマネントウエーブ液工業組合調べ)にあるのです。ストレートパーマも然り、ダメージはもとより、ただ「クセを伸ばす」だけではないデザイン性へのニーズに答えられるようにストレートパーマは進歩し始めています。

しかしながら、ストレートパーマの需要はいっこうに右肩上がりになる気配がありません。それはなぜか。ヘアアイロンの影響もそうですが、根本はストレートパーマを使いこなせる美容師が少ないからではないかと考えます。

 

鈴木佳一郎(Core Flock)氏が語るストレートパーマ

2012年5月、髪書房より刊行した『ストレートパーマ最強読本』。その著者でもある鈴木佳一郎(Core Flock)さんは、メーカーのインストラクター教育のほか、商品や理論の共同開発も行っているストレートパーマに精通した唯一の美容師といっても過言ではありません。そんな鈴木さんに最近のストレートパーマ事情と、可能性についてお聞きしました。

 

カギを握るのは質感コントロール

――改めて、鈴木さんのストレートパーマに対する考え方をお教えください。

ストレートパーマは“質感コントロール”の1つとして使いこなすべきだと思います。ストレートパーマは、根元がペチャンコになる、髪がシャープペンの芯のようにツンツンするといったイメージを持っていませんか。本当のストレートパーマは、自然な髪と見分けがつかないように矯正できるのです。お客さまのニーズは、髪の毛を「伸ばす」から「デザイン性」へと多様化し、その多様化したニーズに対応するためには、十分なセオリーを持つことが大切です。そこでまとめたのが『ストレートパーマ最強読本』。素材(髪)を知り、素材に合った薬剤選定を行うための考え方と手法をご紹介しております。その中でも特に重要視しているのが軟化。軟化は質感コントロールに大変重要なプロセスであるため、軟化レベルによる質感の違いを解説させていただきました。カラーチャートのように、美容師全員が軟化のレベルを共通認識として捉えられるようにわかりやすく実用的にまとめています。

 

ストレートパーマで考える周期提案

――Core Flockさんのサロンワークでは、どのような提案方法でストレートパーマをオススメされていますか?

今はナチュラルなストレートヘアに需要があるので、クセのレベルが中の方はストレートパーマをあてない傾向にあります。カットで解決できるからです。そのためストレートパーマをご提案する方は、クセの強い方がほとんどですね。多い方で年に4回来店されます。クセが出やすくなる前の4~5月にご提案し、そしてもっともクセがうねりやすい梅雨の時期(7~8月)にあて直し、そして髪の毛が伸びてきた10月、そして年越しを迎える12月の計4回で施術を行います。しかしもっとも多い来店回数は2回です。ストレートパーマの需要が平均して伸びる梅雨の時期7~8月。そして11~12月の計2回です。7~8月にストレートパーマをあてた方のほとんどは、年越し前にもう一度あてに来店されます。髪の毛が伸びてクセが気になるからです。クセが出やすくなる時期に一度ご提案をしておくと、後のアプローチがスムーズにいくのではないでしょうか。他にも、ストレートパーマに対してマイナスなイメージを持たれている方には、毛先ワンカールや硬い髪をやわらかな質感に仕上げるなど、ストレートパーマの可能性をお伝えしながらストレートパーマのご提案をするといいかもしれないですね。

 

薬剤の進歩と美容師の努力

――『ストレートパーマ最強読本』が刊行されてから約5年の月日が経ちましたが、ストレートパーマ市場に変化はありましたか?

ストレートパーマがパーマの一種として扱われるのではなく、単体で動き始めたように感じます。その要因は、時代に合わせたメーカーさんの薬剤づくりにあります。ストレートパーマを除くウエーブパーマやヘアカラー、カットのデザインは、主にファッション業界の影響を受けやすいですが、ストレートパーマはメーカーさん発信で生まれるものだと思います。つまりは、薬剤の進歩がストレートパーマに大きく影響を与えているということです。今まで施術が難しかったハイダメージ毛に対する施術も、薬剤の進歩により低アルカリ×高還元での施術が可能になりました。また、1剤のアルカリをコントロールするアルカリキャンセルも出てきたため、ダメージ毛に対するアプローチの広がりなど、ストレートパーマの可能性は非常に上がってきていると思います。しかし、ケミカルの進歩だけではストレートパーマが大きく変わることはありません。現場で働いている美容師がどれだけ目の前のお客さまの髪質のことを理解し、それに対する薬剤選定ができるかが重要だと思います。

 

髪の毛の強度をどれだけ“残す”ことができるか

――薬剤の進歩がストレートパーマの向上につながっているということですが、鈴木さんがこれからアプローチしていきたいストレートパーマについて教えてください。

バージン毛に対してストレートパーマを行うと、アルカリの力で髪の毛の強度は20%落ちるといわれています。対してヘアカラーは5%。そこで通常考えるのが、ダメージを与えない施術です。実際、ダメージを与えない施術はほとんど不可能に近いと思いませんか? 僕たちの仕事は、髪の毛を傷める仕事がほとんどですよね。多くの美容師さんは、しっかり髪の毛を伸ばそうとアルカリ度を強めて施術しているかもしれません。アルカリが強いほど髪が膨潤して軟らかくなりますから、一見、軟化したように勘違いしてしまうんです。しかし、実際には側鎖結合が完全に切れておらず、クセは残ったままです。さらに、アルカリの力で毛髪内部がスカスカになってしまい、パサついた仕上がりとなり、お客さまに満足していただけるどころかストレートパーマ離れを引き起こす可能性があります。そこで今考えているのが、髪の毛の“強度”を残した施術です。“強度”というのは、髪の毛の芯、弾力のこと。髪の毛に芯があればあるほど、健康毛に近い状態で髪の毛がきれいに収まってくれます。ストレートパーマの質を上げる方法を今考案中です。

 

「メーカーさんと組んでストレートパーマの質を変えていきたい」と語ってくださった鈴木さん。今後のストレートパーマの動向に目が離せませんね。

 

Profile

すずきけいいちろう/1978年神奈川県生まれ。5店舗を経て2007年11月、株式会社コアーズ設立。2008年3月、横浜市・馬車道にコアフロックをオープンし、計3店舗(馬車道店・綱島店・元住吉店)を展開。縮毛矯正専門店での経験を生かした確かなケミカル知識と技術ノウハウが注目を集め、年間約35回のセミナーを行う。『ストレートパーマ最強読本』の付録である軟化レベルスケールの特許を取得している。

【『ストレートパーマ最強読本』の詳細はこちらから】

 

月刊BOB編集部

AUTHOR /月刊BOB編集部

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